紹介
お待たせしてごめんなさいね。
秋子はそう言って、外で待たせていた人を喫茶店に招き入れる。
「えっと、急いでいた物でお名前も聞かずに失礼いたしました。
私は水瀬秋子と申します。この子は私の子で名雪と言うの」
そういって、秋子に抱きかかえられている名雪が会釈をする。
「あっちのちっさいこがみちるちゃんで、もうひとりの物静かな子が姫川琴音さん」
秋子に紹介されてみちると琴音は頭を下げる
「うにょ。みちるだよ〜〜〜」
「はじめまして。姫川といいます」
弥生はこの殺伐とした状況のなかで、あまりにアットホームさに面食らってしまい――
「はじめまして。篠塚弥生です」
そう答えるのが精一杯だった。
「それでは自己紹介も済んだ事ですし、名雪達は一度寝ておきなさい。
明日もあるんだから」
「くーーーー」
「うにゅ。みちるねむい――」
既に寝入っている名雪と寝る場所を探しているみちるに、喫茶店の奥にしまってあった
毛布を出し2人を寝かせ付ける
「琴音さんはどうしますか?」
秋子は、いまだ寝ようとしないでいる琴音に問いかける
「私も弥生さんのお話をお聞かせ頂けませんか?」
「弥生さん――よろしいですか?」
秋子は左手を頬に当て、弥生に微笑みかける。
弥生は、秋子に探している人物――――森川由綺の情報を聞き出そうとしはじめた。
心の思いを悟られないように――――――――