last regret
――アタマが、いたい……。
――すごく、いたい……何も、違う、うまく、かんがえられないけど。
――おれ、死ぬ……かな……わからない。
「――」
声が聞こえる……彼女の、声が……
最後に残された力で、目を、開く。
「――」
真っ赤に染まる視界の中で、彼女が、泣いていた。
(泣くなよ。お前は悪くない。
……泣く程、俺を想ってくれるのか……?
ごめんな……詠美……ゴメン、もう、守れない……)
声が出ないぞ。
ハハ……ちくしょう……。
できることなら……やり直したかった……。
詠美のことだけ……考えてればよかったんだ……。
ちくしょう……ちくしょう……。
「……詠美……すまな――」
意識が閉じる。
ちょっと待て……最後に一言だけ……。
一言……。
……ヒトコト……。
「……愛してる……」
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