宮内レミィ(女子・094番)のポケットから、大量のもずくが溢れ出しているのを見て、北川潤(男子・029番)は思った。
制服のスカートにはポケットがあるんだ、僕はまだまだ女性の事なんてほんの少しも判っていないな、と。
もう一度、よく見てみると、もずくの中に、きらきらひかる欠片があった。
それを北川は手に拾い上げ、目で凝視した。
きらきら光る欠片は、なにかどこかで見た事があるものだった。
これ、CDなんじゃないか? そう思うまで、時間はかからなかった。
「おい、レミィ、預けたCD、かばんに入れてなかったのか?」
「えっと、全部ポケットにいれてたヨ!」
なんと、宮内レミィはポケットにCDを入れていた!
「にこにこぷん……」
レミィはCDが割れた事実に気付き、そう声をあげた。
「もう、にこにこぷんは見られないの? ジュン!」
「あぁ、見ることはできない、かもしれない。しかし、ここをうまく抜けられたら、そのときは、ふたりでにこにこぷんを見よう!」
「抜け出したら、にこにこぷん、見れるの?」
「あぁ、きっと君に見せてみせるよ。その為にもここを抜け出す方法を考えよう!」
「そうだね、ジュン。ともかくプラス思考ね!」
とりあえず相談の結果、僕たち二人はレミィのスカートをキレイに洗浄するために、池を探すことになった。
[←Before Page] [Next Page→]