死者の呟き


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暗い。

何処だ?ここは?
俺は………そうだ、撃たれたんだったな。
アイツに。いや、もうどうでもいい。

ハァ、俺はよぉ、こんな死に方する男じゃねぇハズだぜ?
本当ならよ、戦いの果てでひっそりと死ぬはずだったのに……
まさかこんな奴らに看取られて死ぬとは思わなかったぜ……

詠美、テメェはいつもハッタリかましてやがったな。ったく、いつまで泣いてんだよ、テメェらしくねぇ…
ガキ、腹…痛かったか?悪かったな。お前も涙……流せるんだな。どうした?何とか言えよ。
獣共、何だかんだ言っていろいろ助けてもらっちまったな。……おいおい、そんな目で見つめんなよ。

「おい!御堂!いつまでくすぶっているつもりだ!早くしろ!」
何だ?幻覚か?
岩切の奴が見えるぜ………
けっ!テメェがお迎えかぁ?ツイてねぇぜ。

「悔いの残らない人生だったかしら?フフ……私は悔いだらけだったわ」
安宅か。あんな大口叩いておきながら俺より早く逝っちまえば悔いは残るだろうな。

「ぴこっ!ぴこぴこ、ぴっこり、ぴこ!」
毛玉、最後の最後にやってくれたな。ありがとよ。缶詰?もうねぇよ。

「御堂、よくも撃ってくれたね。痛かったよ、眉間は」
何寝ぼけてやがんだ?楽に死ねたんだ。ありがたく思いな。

体が軽くなってきたぜ。冗談抜きでヤバくなって来たってわけか。
坂神、俺はよぉ、今だから言うけどよ、本当はおまえに憧れてたんだよ。
俺の持っていねぇモンをいっぱい持ってたお前が羨ましかった………
いつか、追いついてやろう。
いつか、追い抜いてやろう。
そればっかり考えていた………

あぁ、こんなコトになるんだったらあの時………
そう、お前が変なお面のガキと転がり落ちてきた時に決着(ケリ)をつけとくべきだったよなぁ。

ツイてねぇぜ。

お、千鶴さんよぉ、遅せえじゃねぇか。もうボスは倒しちまったぜ?ホラこの通り。
梓の野郎、肩震わせてやがるぜ。顔しかめちまって、何してんだ?
あゆ、テメェはいつも俺にくっついて離れなかったな。変な歌は歌うわ、『しすぷり』の話しかしねぇわ、
挙句の果てには俺の邪魔ばっかで……何だよ?テメェも泣き虫か?
おいおい、揺するなって。揺すっても何も出やしねぇよ。
それより俺はもう行かなきゃならねぇんだよ。だから離せって。

最後に、お前らだけは生きて自分の家に帰れよ。
頼むから俺達と同じとこだけは来るなよ。

じゃあな。


【御堂 死亡】
【残り 22名】

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