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エンプレス その_2


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「ゴゴゴゴゴゴゴゴ……」
 隣では晴香が首を傾げている。
 ま、なんというか。
 灯台を前にして、今にも内部に潜入しようという二人に、否応なく漂ってくる
緊張感って奴を口で表現しただけなんだけど。
 まぁ、いつまでも続けていてもしょうがない。
 あたしは『ゴゴゴ』はそこそこにして晴香に向き直った。
「いよいよって感じよね?」
「ええ……。ここに私たちの、みんなの求める物が……」
「あると良いわよね?」
「必ず見つけるわ!」

 潜水服でも着込んで、あの深くなっていそうな所から入り込む。
 そんな手段しか用意されていないということがあり得るだろうか。いや、ない(反語)。
 そして、見渡す限りそれらしい侵入口もない。
 となれば、怪しいのはこの灯台以外に何もないのだ。
 あたしと晴香は慎重に灯台の前を調べたけど、実は入り口が見あたらなかったの。
 継ぎ目らしい物が幾つか見えるんだけど、スイッチの類とかが見つからない。
 困り果てたあたしが出した結論は。
「分かったわ!! 音声入力のパスコード入力が必要なのよ!!」
 分かってるのよ、あたしだって、こんなやぶれかぶれの解決方法なんてあり得ないって。
 でも、叫んだあたしを、晴香はジト目で睨んだのだった。
「あ、いや、じょ……」
 冗談なのよ、といおうと思ったところで事態は意外な展開を迎えた。
「パスワード入力を受付。回答を入力せよ」
 灯台の内部からくぐもった機械音が聞こえてきたのだ。
 目を丸くするあたしと晴香。
 瓢箪から駒とはまさにこのことなのだろう。
「合い言葉『印鑑』。繰り返します。合い言葉は『印鑑』」
 灯台内部からの声が聞こえてくる。
「留美、どうするのよ? 方法が分かっても、合い言葉なんて……」
「チッチッチッ!」
 あたしは、人差し指を立てて、振った。
「合い言葉は『消化器』よ!!」

 言い放ったあたし。
 沈黙が周囲を支配する。
 そのまま数瞬が過ぎ、二人に焦りが生じ始めたところで内部からの起動音が響き、
かくて扉は開かれたのだった。
「すごいわね!?」
 驚く晴香を後目にあたしは、優越感に浸るかのように目を瞑った。
 おそらく、この回答が分かる人間など、今の日本には数人と残っていないだろう。
 そして、こんな合い言葉を設定した高槻のことが、あたしはますます分からなくなった。
 まぁ、結果オーライってことなのかしらね。
 開ききった扉に向けて歩き出す二人。
 果たして、中では何が待ち受けているのだろう。
 そして、あたし達は望みの物を見つけることが出来るのだろうか?

 ……灯台内部に踏み込んだ瞬間、視界の隅で何かが動くのをあたしは認識した。
 そして、刀を構えつつ叫んだ。
「新手のスタンド使いか!?」
 と。

To Be Continued!! 
『次週、西では呪いのデーボ(往人)と刀のスタンドアヌビス神(神奈)が!!』

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