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飛べない鳥


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――――この夢は、いつもと違う――――

「ねえ」
「・・・・・・・・・」
「一緒に遊びませんか?」
「・・・・・・・・・」
「きっと、楽しいですよ」
「・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・何を・・・」
「え?」
「何を、企んでおる」
「え?え?
・・・・・・・・・あっ!えっと・・・・・・
・・・じゃあ、トランプなんかどうですか?」
「・・・・・・」
「あれ、ダメかな・・・
えっと、それじゃあ・・・・・・」
「とぼけるでないっ!」
「・・・・・・」
「余の事が憎いのであろう!?
余に復讐をするために参ったのであろうが!」



「違うよ・・・」
「違わぬものか!余は騙されぬっ!!」
「神奈ちゃんも気づいてる、でしょ?」
「・・・・・・」
「私は、あなた、だから」
「・・・・・・」
「神奈ちゃんの事はよく知ってるし・・・」
「・・・・・・」
「絶対、騙したりなんか、しないよ」
「・・・・・・」


――――このゆめは、いつもとちがう――――

「ね、一緒に行こ?」

「ほら、こっちに来て・・・」

「手、繋ごっか?」

「にはは
じゃあ・・・」


――トスッ・・・


「え?」



――――このゆめは、いつもとちがう――――


血塗られた刃が観鈴の脇腹を・・・


天からの一筋の光が神奈の胸を・・・




――――コ ノ ユ メ ハ ヒ ド ク キ ブ ン ガ ワ ル イ――――




・・・・・・
悪いが、その頼みは聞けない」
「・・・・・・」
「もともと馴合うのは苦手なんだ」
「・・・・・・
そうですか、
それなら仕方ありませんね」
「?
以外だな、もっと落胆するかと思ったんだが」
「あなたが決めた事ですから、私に干渉する権利はありません
あなたの好きなようにしなさい」
「そうか・・・なら、好きにさせてもらう」
「あの娘のところへ行くのですか?」
「ああ・・・
・・・・・・
そうだな、どうせアイツも観鈴のところにいるんだろ?
だったら、最後を見届けるくらいならやってもかまわない」
「・・・・・・
ありがとう、往人」



「それならば、お急ぎ下さいませ」
「?」
「この空間に神奈様を消し去ろうとする光が差込んでいます。
おそらくそう長くは持たないでしょう」
「??
それなら何で今さら浄化なんかするんだ?
もうすぐいなくなる奴を浄化なんかしても無意味じゃないか」
「確かに神奈様はもうすぐ消滅いたします。
それが、不幸とも救いかは分りませんが・・・」
「・・・・・・」
「ですが、神奈様の分け身の少女は残ります。
神奈様が消滅する時に、その記憶と呪いは彼女に受け継がれるでしょう」
「!!
観鈴が!?」
「はい。
観鈴様は浄化が完了するまで神奈様と同じ悪夢を繰り返す事になりましょう。
浄化が完了するまで・・・・・・恐らくは1000年ほど・・・」
「1000年だと!?
観鈴は、そんなに苦しまなきゃいけないって言うのか!?
くそっ、何であいつがそんな目に会わなきゃいけないんだっ!?
・・・・・・っ!
何か、あいつを助ける方法はないのか!?」
「お気持はお察しします。ですが・・・もう避けられない事なのです。」
「・・・・・・」



「もう避ける事はできませんが、
・・・・・・観鈴様の負担を軽くする事なら、できるやも知れません」
「・・・・・・」
「神奈様を、笑わせてあげて下さい。」
「・・・・・・」
「希望には、呪いを退ける力があります。
もし、神奈様が消滅する瞬間に笑っていられたのなら
観鈴様に引継がれる呪いを最小限に留める事ができましょう」
「・・・・・・
分った、やってみよう」

「それでは、これでお別れですね」
「ああ、そうだな」
「これを・・・持って行きなさい
・・・・・・
それでは、がんばりなさい」
「ああ、努力してみる。
じゃあ・・・」




「これは、ぬしの仕業か・・・」
「そんな・・・違うっ・・・」
「ふん、さぞ満足であろうな。
余の刃はぬしを殺すにはいたらなかった・・・。
しかし、これではさすがの余も助からん・・・
見事に復讐を果したというわけじゃ」
「違う・・・違う!」
「光が少しずつ太くなってゆく・・・
じっくりと苦しめて跡形もなく消し去ろうというわけか。
虫も殺さぬ顔をして、残酷な女よの」
「違う!違う!違う!
どうして!?どうしてこんな!?」
「最後まで良い子ぶるつもりか?
じゃが、いつまで続くかの・・・
余がこのまま素直に消えると思うたら大間違いぞ
余の見た夢よりも、遥かに素晴らしい悪夢をおぬしにくれて――――」



「おい、ガキ」

わしっ

「お、おぬしは・・・・・・」
「おい、これから凄く良い物を見せてやるからよく見てろ」
「おぬしも余に復讐に参ったか?
それとも、この娘を助けに来たのか?」
「凄いぞ!楽しいぞ!
笑いあり驚きあり感動ありで一度見たら病み付きになること間違いなしだ」
「助けにきたというのならもう遅い。
余がこのまま消滅したとてこの娘は永遠に悪夢を繰り返す事になろう」
「布団に入っても興奮しっぱなしで三日は眠れなくなるぞ!
明日はクラス中この話題で持ちきりだ!」
「・・・・・・
おぬし、さっきから何を言って・・・」
「さあいくぞ

心の準備はいいか?

それじゃあ・・・・・・



――――楽しい人形劇の始りだ――――




「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・
消えちゃったね」
「・・・・・・
・・・ああ」
「・・・・・・
私、何もしてあげられなかった」
「・・・・・・」
「・・・・・・
可哀相な子、だったよね」
「・・・・・・」
「・・・・・・
私も、可哀相?」
「・・・・・・
そんな事は、無い」
「・・・・・・」
「お前には、俺がついてる」
「・・・・・・」
「お前が悪夢を見てうなされてたら、俺がすぐに起してやる」
「・・・・・・」
「お前が誰に生まれ変ろうと、俺も何回でも生まれ変って必ずお前の側にいてやる」
「・・・・・・」
「だから、お前は可哀相なんかじゃない」



「・・・・・・」
「・・・・・・」
「にはは・・・」
「・・・・・・」
「往人さん、恥かしい事言ってる?」
「・・・うるさい」
「往人さん顔まっか。
かわいい、にはは」
「・・・・・・
誰かがうなされててもほっとく。
何回生まれ変ってでもお前から逃げてやる」
「わっ!冗談!冗談!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・
そろそろ、いこっか?」
「・・・ああ、そうだな――――――――


【神奈備命 消滅】

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