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彼は、相変わらずダレていた…
それは、こんな異常な殺戮ゲームが行われている島でも、自分の家のようにくつろいでいた。
「あぁ、ダリぃ」
支給された食料をムシャムシャと頬張りながら己の武器を確認している男…藤田浩之は、やはりダレていた…
「コルトパイソンかぁ、かっけ〜」
草むらにゴロリと横たわり、銃口をのぞきこんだ。
以前、雅史に見せてもらったモデルガンそっくりだった。
(あン時は、雅史はコルトパイソンで、俺がAK47だったけかな?それで雅史ン家で屋内サバゲーやったっけかな…
 雅史の奴、「ひどいよ浩之〜」とか半ベソかきながら降伏したっけ…ま、降伏してきても知らんぷりして撃ったけど)
なつかしい思い出だ…
あいつら、どうしてるかな…
雅史 志保 委員長 レミィ 先輩 綾香 理緒ちゃん 葵ちゃん 琴音ちゃん マルチ セリオ

…そしてあかり…

「探すか…めんどくせぇけど、よっと!」
浩之が重い腰を上げたその瞬間、
ダッ!ダッ!ダッ!
黒い…服の人影が視界に飛びこんだ。その後、
ヒュ!
『何か』が黒い人に向かって放たれた。
―――――矢だ!
その矢を追いかけるように現れたのは、吸い込まれそうな漆黒の長髪をたたえた女性だった。
手には…弓が握られていた。
浩之は理解した。ゲームに乗っている奴がいる…そいつは、あの黒い人物を…狩ろうとしている。
「…ったく、しょーがねぇなぁ!」
浩之は二人の後を追った。


「痛っ!…ええぃ!忌々しい!」
岩切花枝は吐き捨てるように言い放った。
彼女は素足だった。
故にこのような落ち葉や小枝の散乱する林を歩くのは傷みを伴うのだ。
おまけに支給された武器はナイフでも、拳銃でもなかった。
「一体何なんだ…これは?箱詰めのゴム風船か?それにしては膨らみが悪いな…」
岩切はカラフルな箱に詰まった円筒状の膜をしげしげと見ながらつぶやく。
(とりあえず、気をつけねばならぬ敵は御堂と坂神、安宅のみだな、他の連中は皆素人…
 仙命樹の力の前にはあまりにも無力――――)
ズパァン!
彼女の思考はそこで中断された。
中断したものは…彼女の頭蓋から一寸と離れていない木に着弾した、矢である。
ビィィィィィン…
矢は衝撃の余韻を音で表現していた。
「…外しました…今度は……当てます…だから、動かないで…」
矢を放った黒髪の少女・長谷部彩は冷静な口ぶりで囁いた。
(ここまで接近されても気付けなかったとは…やはり『結界』の影響なのか?)
「ちぃ!」
岩切は分が悪いと判断し、地を蹴った。敗走だ。
(強化兵のこの私が一般人に背を向けることとなろうとは…屈辱だ)
岩切がそんな事を考えている間にも、矢の雨が降り注ぐ。
おまけに足の痛みで速く走ることが出来ない…狩人との距離がどんどん縮まってゆく。
ヒュ!
「!!」
一筋の矢が、彼女のふくらはぎを貫いた。そのままバランスを崩し、倒れる。
ザッ、ザッ、ザッ…
彩は緩やかに矢を引くと、岩切の体に的を絞る。
「もう…暴れないで…苦しむところは…見たく、ないの」
岩切は何とか逃れようとするが…足が痛い…いつもならこれほどまでに痛みを感じないはずなのだが…
これも仙命樹の力が大幅に抑えられているせいなのか?
(もはやこれまでか…いや、戦って死ねるのだ、本望だ)
彼女は死を覚悟し、そっと目を瞑った。

ズダァン!

(…終わったのか?痛くない…死私は一体どうなったのだ?)
おそるおそる目を開ける。
…そこにはあの女の姿は無かった。かわりにいたのは、いかにも眠そうな目をした男だった。

【岩切と浩之 遭遇】
【彩 浩之の威嚇射撃で撤退】
【浩之の支給武器 コルトパイソン】
【岩切の支給品 大人の風船】
【彩の支給武器 競技用アーチェリー】

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