もう一つの浩之


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 面白くない。
 こいつはゲーム一使える奴だと思ったのに。
 人の為だと? 虫酸が走る。
 もうわかった、お前はいらない、こいつがいればいい。
 使うのが早いだろうが、この際構わない。

 高槻は一人の人間の『スイッチ』を入れた。
 藤田浩之と全く同一の姿をした『それ』は、ゆっくりと目を開いた。
 浩之が打ち勝った、殺人衝動。
 それを全て継承したまま、浩之クローンは動き出した。

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