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ハッピープレゼント


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『んじゃまぁ、取りあえず作戦会議だ』
『そうですね』
『だから人の話を聞け!』
ポテトの叫びもむなしく2人の悪ノリは続いている。
『よし!取りあえずシミュレーションだ。ポテト!俺をあの新入りだと思ってお前の思いをぶつけてみろ!』
『だー!何で俺が!』
『いいからやれって!』
『では、私はナレーションでもしましょうかね』

【Ver.1】
雨の降りしきる中俺達俺達は立っていた。
雨が俺達を辺りの世界から切り離しているようだ。
『あ、あのな』
『何?』
『俺、お前が好きだ!』
『………嫌です』
『ガ━━(゚Д゚;)━━ン! 』

『ぴろ君、それではキャラが違いますよ。それじゃあ甘い物大好きな女の子ですよ』
『そうか?んじゃあ、次に行くか』
『お前ら、ホントに大丈夫なのか?』

【Ver.2】
俺達は夜の建物の中にいる。
夜の魔力だろうか。彼女に今まで言えなかった言葉が言えるかもしれない。
『あ、あのな』
『何?』
『俺、お前のことが好き、みたいなんだ』
『………はちみつくまさん』
『ガ━━(゚Д゚;)━━ン! っていうかはちみつくまさんって何だーー!!!』
『私は魔物を狩るものだから』
『ワケワカラネー!!』

『ぴろ君、それもキャラが違いますよ。それじゃあ牛丼大好きな女の子ですよ』
『そうか?なかなか難しいな』
『お前ら、真面目にやってないだろ?』
『何言ってるんだよ。俺達は真面目だぜ。よし次に行くか』
『そうしましょうか』

【Ver.3】
(ナレーション省略)
『あ、あのな』
『何?』
『俺、お前のことが好きなんだ!』
『………お米券、進呈』
『ガ━━(゚Д゚;)━━ン! それはどういう意味なんだーー!!!』

『ぴろ君、なかなか惜しいところまで来てますが微妙にキャラが違いますね。それでは目をキラキラさせた女の子ですよ』
『う〜ん、難しい。俺には無理だな』
『お前ら、絶対俺で遊んでるだろ?』

『何やってるのよ、あなた達』
『何って………うわ!お前、何故ここに?!』
そこには今まで三人が話題にしていた人物(?)が立っていた。
『何か知らないけど何三人で漫才してるのよ』
彼女が呆れたような声を出した。
『お、お前いつからそこにいた?』
ポテトが恐る恐る聞いた。
『今着いた所よ。それより、あの人間死んだみたいね』
『あ、ああ』
『………だから言ったでしょ。仲間なんて薄っぺらい物だって』
『お、おい!てめえ!それは言い過ぎ――』
ぴろの言葉が終わる前にポテトがポチのことを殴っていた。
『テメェ!もう一度言ってみやがれ!あいつはな、あいつは!』
『お、落ち着け!ポテト!』
『そ、そうですよ!もう少し冷静に!』
まだ殴りかかろうとしているポテトを二人で必死に止めていた。

『………』
『元気出して下さいよ、ポテト君。君が彼女を殴ったことは間違いじゃないんですから』
『………』
『う〜ん、こんな時にぴろ君はどこに行ったんでしょうか?』
『………やっぱり嫌われちまったよな。女に手を挙げるなんてな』
ポツリとポテトが呟いた。
『おーい!そら!』
『あ、ポテト君。何してたんですか?』
『いや、そんなことよりちと耳を貸せ!』
落ち込んでいるポテトをよそに二人で話し込んでいた。
『あ、ポテト。俺達ちょっと用があるから席を外すぞ』
『頑張って下さいね』
そう言って二人はその場を離れていった。
『………何言ってるんだ、あいつら。ハァ、それにしても女に手を出すとは最低だよな………』
『そうね、最低ね』
『どわ!』
いつの間にかそこにはぽちがいた。
『凄く痛かったわよ』
『あ、あの、その。悪かった』
『いいわ。私も悪かったんだし』
『いや、どんな理由があっても女に手を出した俺が悪いんだ』
『あの人間のことならぴろ君に聞いたわ』
『そうか………』
『それに、ぴろ君が言ってたわよ。「あいつのこと、許してやってくれ」って』
『あの野郎、余計な真似しやがって………』
『私ね、この島に来て色んな人間を見てきたの』
ぽちが話し始めた。
『私がこの島で最初にあったのは女の子だったわ。とってもいい子だった』
『………』
『とっていい笑顔で笑う子でね、私そのこの笑顔がとても好きだったわ。でもその子も消えてしまった………』
『そうか………』
『私その時に悟ったのよ。どんなに一緒にいたい人がいてもこの島ではそんな思い薄っぺらい物なんだって』
『それは違う』
『え?』
『その子はきっとお前と一緒にいれて幸せだったと思うぜ。そんなにいい笑顔で笑えてたんならな』
『でも………』
『それにお前ここに来たじゃねぇか。何だかんだ言ってもさ』
『そ、それは』
『俺もぴろの野郎もあのそらも、それにあの人間達も絶対にお前の前から消えたりはしない』
『どうして?』
『俺が守るからさ。俺はあの人間が死んだときに誓ったんだ。だから絶対にお前は一人にならないぜ』
『そう………』
『だからさ、俺のこと信じてみないか』
『信じて、いいの?』
『ああ、任せろ』
『でも、どうして私のことそんなに気にかけてくれるの?』
『そ、それは………』
『それは?』
『それは』
ポテトがその言葉を口にしようとした瞬間後ろの方から声が聞こえてきた。

『う〜ん、なかなかいい雰囲気ですねぇ』
『うんうん、俺達がお膳立てしただけのことはあるな』
『お、どうやらポテト君が告白するみたいですね』
『行け!そのまま押し倒しちまえ!』
『それはマズクないですか?』
『何言ってやがる。男は押して押して押しまくれ!』
『ぴろ君。なかなか面白いことを言ってれてるねぇ』
『ゲ!ポテト!』
『お前もなぁ、そう言うことばっかりやってるから俺に勝てねぇんだよ。ま、お前が俺に勝つこと何て一生無いだろうけどな』
『この野郎!言わせておけばいい気になりやがって!俺がフォローしなかったら振られてたくせによ!』
『やかましい!』
『いい加減決着をつけてやるぜ!くたばれ!ポテト!』
『ケッ!その言葉そっくりそのまま返すぜ!ぴろ!』
突然始まった二人の喧嘩を残った二人が呆れたような目で見ていた。
『何やってるのかしらね、この二人』
『まぁ、これがこの二人なりのコミュニケーションの取り方なんでしょうね』
『理解できないわね』
『安心して下さい。私も理解できませんから』
『ホントに馬鹿ね』
『まぁ、否定は出来ませんね。でも私は彼らのような馬鹿は好きですけどね』
『………』
『あなたもそうなんでしょう?ぽち君』
『………そうね、嫌いじゃないわね』

この島では命の価値は薄い。
彼らのような小さな命ならばなおさらだろう。
それでも彼らは必死で頑張っている。
この時間は小さな体で頑張っている彼らに
神様がくれた小さな幸せのプレゼントなのかもしれない。

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