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や、梓だよ。
その後どうなったか、気になるだろうから報告しとくよ。
あたしは何とか動物と繭と詠美を纏め上げて、目的地に到達したんだ。
いや、ほんと大変だったよ…一匹増えてるし。
動物は全部名前がみゅーみたいだし。
わけ解んないよ。
怒るとみゅーだし。
悲しくてもみゅーだし。

…あーごめん。
話が逸れた上に愚痴っちゃったね。

そんでさ。マザーコンピューター室だけど。
ほぼ確実に誰もいないだろうとは思ってたけど、それでも緊張して自動扉を抜けたんだよね。
何がいたと思う?
行動不能の、ぽややんとしたHMが一体だけだよ。

こう、何ていうのかな?
HMってのはもっと真面目なもんだと思ってたんだよね。
「はうー、わたし真面目ですようー」
…これだよ?
大体さ、”はうー”って誰が用法登録したんだよ。
あたし社長ならクビだね、こんなの登録したヤツは。


おもいっきり脱力したころ、再び自動扉が開く音が聞こえてね。
振り向くと、さっき追い抜いた二体のHMがスタスタと歩いてくる。
ガラにもなく銃なんか構えてみたけど、彼女たちは無視したまま席についちゃったんだ。

「通常業務及ビ維持作業ヲ再開シマス」
高らかに宣言すると、そのまま黙ってコンピューターとやりとりを始めていた。
やっぱり、あたし達のことは無視。
そうだよ、HMってのは、こういうもんだろ普通。

「はわわー、やめてくださいー」
視線を流せば、繭に遊ばれて困っているぽややんがいる。
肩の力が抜けて、しばし呆けるあたしを引き戻したのは、詠美だった。

「梓、動かないなら放っといていいよ!先にCDだよCD!」
やけに張り切っている。解らないでもないけれど。
これで何も情報が得られなかったら、おっちゃんも報われないもんな。
…でもあたし、コンピューターなんか解んないぞ?
詠美は大丈夫なのか…?

一抹の不安を抱きながら、とりあえず近場の椅子に腰掛けた詠美の傍らに立つ。
「とりあえずココにCD入れて…」
「こ、これって!?…ちょっと待ったあ!」
慌てて詠美を引き止める。

「この画面の隅にあるの…あたしじゃないか?」
「ほんとだ。
 あんた…無意味に胸デカイわねー」
「無意味ってゆーな!」
なぜか、画像は水着姿だった(いつ撮ったんだこれ!?)。

「隣は千鶴さんと、あゆちゃんだね」
画面をずらして、画像を前に持ってくる。
麦藁帽子を被り、鶴来屋のはっぴを着て、アイスを売る千鶴姉。
ダッフルコートを着て、たいやきを咥えたまま、全力疾走しているあゆ。
…どうにも納得いかない画像ばかりだが…たしかに、あたし達だった。

「それは、データベースですねー」
振り向けば、繭にオモチャにされながら、ぽややんが発言していた。
「その番号と、あちらのレーダーの番号が対応してるんですよー」
その言葉に操られるように、あたし達はきょろきょろと首を回していた。

ぽややんの助言に従い、マウスを使って次々にページを変えて行く。
「梓達の画像に×がついてたのは…死亡扱いって事かな?」
「うん、偽装は上手くいってるみたいだね。
 三人並んでたとこ見ると、疑われているんだろうけれど…
 …詠美、あんたも付いてるよ、×印」
そこには、執筆中に寝てしまい、大口開けて涎をたらす詠美の姿があった。

「……なあ」
「なによ」
「無意味にデカイ口だな」
「う、う、うるさいわねっ!
 むかつくむかつくちょおむかつくっ!」
「喧嘩はだめですうー」
「みゅーーーーーー♪」



【梓&詠美&繭? マザーコンピューターと格闘開始】

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