反転芹香は輝く魔女?
「あくまでここに留まる事にした芹香だったが、かなりの時間がすぎ、苛立ちを隠せないのであった」
まるでナレーションであるかのように話し出す芹香。
「……まだ数十分しか経ってないわよ、そんなに早く雨が上がるはず…」
「そういえばスフィー、貴方魔法使いでしょう?魔法でとっとと晴れにしなさい」
「そんな事出来るんならすでにしてま…」
「その触角は飾りなの?」
勿論、触角(というか髪の毛)が魔法に関係が有る訳も無い。
「芹香さんだって…」魔法を使えるはずでしょうと言う前に更に畳み掛ける。
「いい訳は聞きたくないわ。どうしても言いたいなら私を倒してからになさい」
(そんな、むちゃくちゃな……)
声に出してもいないのに何故か芹香は聞きつける。
「何、その反抗的な言葉は?いいわ、どうせ雨も上がらないなら貴方に身分の違いを教え込んであげるわ」
といいつつも窓の外に人影らしき物を見付ける。
「あら、人影が向かってきてるわね〜、二人かしら。いい?相手がドアを開けたところを一気に取り押さえるのよ」
「はい……分かりました……(芹香さん、何でセイカクハンテンタケなんて食べるのよ……)」
二人はドアが開くまでの間、完全に息を潜めた…
二つの光点は相変わらず動いていない。二人ともあそこで雨宿りをしているのだろう。
「小屋が見えてきたな」
「ああ……」
少しすると、三つの、出る前につくっていた物を見つけた。、
「俺がお前をここに連れていくのは向こうの二人への義理立てだ。もうそれは果たしたから…俺は行くぜ。
あそこに居るのはつらいだろうからな……」
「わかった。元気でな…」
往人に背をむけて歩き出す。
一歩。
二歩。
さん
・
・
・
刀を構える二人の少女を見かけて、立ち止まる。それに気付いた往人が振りかえって見る。
「あの二人…ポーズもバッチリだな。今際の際には人形で送ってやる。安心しろ」
あっさり戻る事にする。
「……さあ、小屋へレッツゴー!」
再び歩いていると、三人の墓を指して往人が言う。
「あそこに知り合いが居るのか?」
「…ああ」
「死者には礼儀正しくしたい。挨拶していっていいか?」
人形を出して往人が言ったとき。
『同じギャグは3回までデス』というレミィの声が聞こえたような気がしたが…まさかな。
「いや、いい。後ろの二人に何を言われるか分からないしな。」
「確かにそうだな」
「そう言えば、小屋の二人のうち、芹香って言う子はかなり大人しいんだが、スフィーは気をつけたほうがいいぞ」
「ああ、参考にしておく」
ドアの前に着く。
「じゃあ、開けるぞ」
確認を取ってドアを開くと、膝蹴りを食らった俺は
「シャイニングウィザード……」
そういう言葉を残して倒れた。
芹香が北川をKOした時、スフィーはもう一人が国崎往人であることに気づいた。
「芹香さん…この人、国崎さんよ」
「え…国崎…往人さん? 済みません。てっきりゲームに乗ってる人だと思って。あ、良く見るとこれ北川だわ」
「国崎さん、実は…」
【往人、北川、芹香達と合流。スフィーからの事情説明は有り】
【晴香、七瀬(漢)、気が変わっていない限り次の話開始時点で小屋に合流している】