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川を下る逃亡者


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川を下る者がいる。
けして遅いとは言えないこの川の流れに沿って。
川を下る者が、いる。



川のほとりの少女は言った。
「……何に追いかけられてるんだろうね、浩平」
「……さぁな。」


川辺で石を投げる女性は言った。
「ふむ……何から逃げているのやら」
言って、また一つ石を投げる。投げた石は、奇妙な軌道を……


川辺を歩く少年は言った。
「なんだぁ?こんな川を泳ぐなんて 気が知れねえな」


川辺に腰掛ける少年は言った。
「美咲さん。なんだろ、あれ。」
「え?あれは……っ!」
「美咲さん?」
「ううん、何でも無いわ」


川べりを歩く男は言った。
「……さて、どこで見た顔だったか……それにしても どこから逃げるとああいう顔になるのか……」



逃げる男。
死してなお、逃げつづける男。
ここには祐介がいる。死姦した彼女がいる。
会わない。会えない。逃げなきゃ。逃げて………
川に潜って、逃げるんだ。
岸の連中と、会わないように。

立ち向かう事もせぬままに。
人生すべてが無駄に終わった、と言えなくも無い彼は。
ここに来てまで、逃げる。
逃げる事が無駄、そんな事は考えず。



死の瞬間にあった、無念と。相反する、安堵。
何かに無念を感じる自分と、それを安堵する自分。

無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念
安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵
無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念
安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵 無念 安堵

彼は、そんな自分からも、逃げていた。
逃げる事からも逃げたかった。できることなら。
逃げる事から逃げるというのは、即ちなにかに立ち向かう事だと、彼は思った。
立ち向かうなど、冗談じゃない。
彼は、逃げた。
逃げる事に、逃げた。
何からも、何からも、何からも、彼は逃げる。



祐介 彰 彼女 俺 少年 祐介 彰 彼女 俺 少年 祐介 彰 彼女 俺 少年 
祐介 彰 彼女 俺 少年 祐介 彰 彼女 俺 少年 祐介 彰 彼女 俺 少年 
祐介 彰 彼女 俺 少年 祐介 彰 彼女 俺 少年 祐介 彰 彼女 俺 少年 
祐介 彰 彼女 俺 少年 祐介 彰 彼女 俺 少年 祐介 彰 彼女 俺 少年 

ゆうすけあきらおれあいつかのじょあきらゆうすけおれあいつかのじょゆうすけかのじょあいつおれ
あえないあいたくないあうわけにはいかないにげるにげようそうしようどこだどこへにげるんだ
いやそんなところどこにでもあるよそうにげばなんていくらでもあるんだよたとえばそう


破綻していく思考。それは、彼が欲した、電波の力にも似ていた。
あるいは、電波の力を、彼は得ていたのかもしれない。
狂気へといざなう、電波の力。
矛先は、自分。


この川はどこまで続くのか。
いつか、この川に終わりが来たら。この川が途切れていたら、かれはどうするだろうか?

答えは簡単。
川の終わりから、逃げ出すだろう。
皮肉にも。
川の流れに、立ち向かってまで。

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