開戦前夜
ゲーム開始前日の深夜
高槻スタートポイントの藤井冬弥は
だれもいない食堂で物思いに耽っていた。
少し前まで同じ場所にいた人が死んだのだ、
現実を直視して生き残るために、戦うしかないのか・・
由綺や美咲さんにまた逢えるのだろうかと、
そこへ英二さんが入ってきた。
「ん、冬弥くんか 向かい側いいか?」
冬弥は、断る理由も無いので快く頷いた。
「大変な事になりましたね」
「大変も無いだろう、そんな暇があったら現実を直視して
どうするかを考えた方がよっぽど為に成るだろう」
食堂の外から、
「はっはっはっ、この島の露としてあげるわ、温泉パンダ〜」
と威勢のいい声がする、、
・・・何なんですか、あれ?」
という冬弥の問いに、あまり間を置かずに英二は
「向こうは仲の悪い者同士を同じスタート位置に配置しているんだろう。
、理奈、弥生姉さんと由綺ちゃん、冬弥くんの友達も他の四箇所から、
ばらばらにスタートだろうな。」
英二の考えに納得しながら冬弥は
「英二さん、スタートしたら、由綺を探すんですか?」
長い沈黙の後。。
「ん〜まずそうするだろうね、冬弥くんも、そうするつもりだろうが
俺を信用してくれてないなら、一緒に行くつもりはないよ、
でもここを出るまでに声を掛けてくれれば、いつでも一緒に気はあるけど」
「・・・考えさせてください」
冬弥はそう言って食堂を後にした。」