「……」
「……」
運命の悪戯――
そんな言葉で片づけてもいいかもしれない。
河島はるか(026)。
遠野美凪(062)。
「……こんにちは」
「……どうも」
お互いに、何気ない挨拶を交わす。
「えと……殺し合いしなきゃダメかな」
「それは残念です……」
「じゃ、やめよっか」
「それがいいと思います」
あっさり合意し、二人はまた沈黙した。
「……」
「……」
「……あの、一緒に行く人、いる?」
「……いえ……残念ながら……」
「じゃ、行こっか」
「そうしましょう」
「良かったね」
「ぱちぱちぱち……」
並んで歩くはるか、美凪それぞれのデイパックからは、明らかに業物と見て取れるうり二つの刀が、
その豪奢な柄頭を覗かせていた。