「晴香、今の」
「ええ。」
高槻の放送。確かに、私の名を告げていた。
「智子。あなたはどうするの」
…ただし、俺を殺せば、…
「なに言うてんの。水臭い。私はあんたに命を預けるって言うたんよ。
いまさら、はいサイナラ、って言うわけないやろ」
「…あんた、馬鹿でしょ。馬鹿じゃないと、そんな考え方なんてできないもの。」
あの放送で、明らかに晴香の立場は危うくなった。
仲間を集める…智子の言っていたそれは、もしかするともう絶望的なのかもしれない。
「もう、辛気臭い顔せんの。高槻って奴があんたの言う通りの奴やったら、
今のんが本当のこと言うとるとは思えへんし、それにアンタの名前を出したゆうことは
そんだけアンタを怖がってるってことやろ。何とかなる。きっとなる。なぁ、神岸さん。」
「…うん。」
「それに、藤田君がおる。あいつなら、きっと仲間になってくれる!」
「……」
その名に、なぜか俯くあかり。
「…んー、大丈夫や神岸さん、あいつなら無事やて、さっきの放送でも名前呼ばれんかったやろ。」
「…そう、だね。」
「せや、それに他にも晴香の仲間はおる。さっき呼ばれてた4人。そうやろ。」
…そう。由依、郁未、そして良祐。みんな、生きている。
由依…あいつは多分大丈夫、貧乳だから。
郁未…そう、彼女も高槻を狙っているのかもしれない。もうさっさと行動して、
もしかしたらもう高槻に近づいているのかも。
そして、良祐…
「行こう。」
そう、行こう。無意味なゲームを終わらせるため。
全てに決着をつけるために。