胸中@柏木耕一
よ、親父……あの世でも元気にやってるか…
俺は元気…と言いたいところだけど、あまり元気じゃない。
初めて人をこの手にかけた。
これも正当防衛っていうのかな?
でも、そんな考えは偽善でしかないよな。
今ここでは理不尽な殺戮ゲームが行われてる。
そう、本当に理不尽さ。
護りたい大切な人達がいる。
そして心の底からみんな助かればいいって思ってる。それは本当だ。
だけど、俺の罪も含めて何人もの犠牲者がでてしまっている。
俺は大切な人のため、今走ってる。
俺は、俺であるためにこの先また他人に手をかけてしまうかもしれない。
そして、いつか俺が俺で無くなってしまうことが恐いんだ。
なあ、こんな俺にも笑いかけてくれるかい?親父……
今、一人の女の子と一緒に行動してる。
今日、こんなところで初めて会った女性(ひと)だけど、信頼できる子だ。
今回の件では、いろいろワケ有りらしいんだけど。
俺は、人を見る目はあると思うんだ。
その子は自分を犠牲にしてまで俺を救ってくれた。
衣服がなかった俺に、服を貸してくれたんだ。
おかげで彼女は萌え……いや、痛々しい格好で歩いてる。
まあ、俺はもっと痛々しいかもしれないけどな。
裸に短めのスカート一枚…はは、参るぜ。
梓に笑われちまうぜ…次から変態確定だな。
初音ちゃんなんか『お兄ちゃんのH〜』とかいいながら手で顔を押さえて逃げちゃいそうだし。
当然顔は真っ赤だ。
楓ちゃんもきっと…いや、あの娘はあの娘で意外性に富んでるから
手で顔を覆い隠しながらも、微妙にその指が開いて…ゲフンゲフン
千鶴さんなんかは…
『耕一さん…あなたを…殺します!』
……………………………………………………………………………………。
まあ、千鶴さんにはきっとシャレですむよ、うん、ははは…
スカートが風にまくれる事で、こんなにドキドキしたの何年振りだろう…
なあ、こんな俺にも笑いかけてくれるかい?親父……