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すれ違い


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橘敬介(057)は観鈴を探し彷徨っていた。
実の娘が殺戮ゲームに参加して生き残れるはずがない。
(観鈴……お前だけは…助けてやるからな。)
そう考えながら歩き続けていた。

…その時だった。

「!………何の臭いだ?」
敬介は異臭を感じた。と、同時に腹の中から胃液がこみ上げてきた。
(ウゥ……、ウェェ………)
口を押さえながら臭いのする方向に歩いてゆくと、そこには何者かが争った痕があった。「死体の焼けた臭いか………」
敬介は誰かもわからない2人の死体を見つめていた。
体がほとんど原型をとどめていない死体、敬介はこれが現実だと改めて実感した。
「こんな場所には用はないな………」
敬介がその場を立ち去ろうとした瞬間、すぐ近くでで女の悲鳴が聞こえた。
「キャァァァァァァァ!!!!」
敬介が振り返ると、そこには恐怖で顔をこわばらせた桜井あさひ(041)がいた。
「あ…ああ…ああぁ………」
「大丈夫かキミ、しっかりしろ。」
「イヤァ!来ないで人殺し!!」
あさひは敬介を人殺しと勘違いしていた。
「違う、私じゃない。」
「お願い!!殺さないで!!」
あさひは無惨な現場を目にして混乱していた。
「落ち着くんだ!!」
敬介は大声で叫んだ。その声にあさひは我に返った。
「大丈夫だ、何もしない。キミは何の心配もしなくていい。」
「………ごめんなさい。」
「別に謝らなくてもいいよ。こんな状況じゃ仕方がないさ。」
「…殺し合って、死んじゃったんですか。あの人達…」
あさひは誰だかわからない2人の焼死体の方を見ながらそう言った。
「そうらしい。ああいう風にはなりたくないな。」
「なんで、こんなことしなきゃいけないんでしょうか…」
「誰もこんなことはしたくないさ。でも、今は…」
敬介は口を濁した。それ以上は口で言いたくはなかった。

(殺らなければ殺られるんだ。)

敬介は辺りを見回した。何か使える物はないか…
現場から少し離れた所に2つのバッグが落ちていた。
一つは小型爆導索。
もう一つはC4プラスチック爆弾が10個。しかしリモコンはない。
「接近戦向きじゃないが、何かの役に立つだろう。」
敬介はそれらを自分とあさひのバッグに詰め替えた。
彼らはハズレのバッグを引いていたのである。
「さあ、行こう。誰かがここにやってくるかもしれない。」
「あ、はい…」
敬介達はその場を離れた。

あさひは大志の死を知らずに………

【C4 小型爆導索・敬介の手により回収】
【残り 82人】

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