「嘘…だろ?」
祐一は、呆然と、つぶやく。
香里と栞が…死んだ。死ん…だ!?
せめて、もうしばらく一緒にいてやるべきだったのか。
自分が居れば助けることができたかもしれないのに。…俺は…。
どれらいぼぅっとしていたのか。
突然、赤い光が目を焼いた。
夕日だ。だいぶ傾いてきている。もうすぐ夜になってしまうだろう。
赤い雲。赤い空。流れる夕焼け。
今の祐一にとってそれは、このゲームの象徴のように写った。
――あの時、白い雪を染めた鮮血よりも、禍々しい。
「…え?」
何だ、今のは?
思い出そうとするが、うまく思いだせない。だが、とても…
哀しいことだったような気がする。もう、二度と味わいたくないような…。
そうだ、自失している時間はない。
あゆ。名雪。真琴。美汐。舞。佐祐理。――茜。
もう誰も死なせるわけにはいかない。
どこだ? どこにいる? 焦りが心を支配していた。
エアーウォーターガンを構えなおし、祐一は目的地もわからないまま走り出した。