わたし。
金色の髪をした女と判れた後、私は木の実をとってそれをたらふく食べた。そして、その後少し眠った。
起きると、辺りはもう暗くなっていた。
夜はできるだけ動かないほうがいい。
そう思った。
だけど、何故か私は歩かずにいられなくなってきた。
私はすっと立ち上がり、暗闇の中を歩き出す。
一歩、一歩、歩くごとに、心臓がドクン、ドクンと高鳴った。
近づいてる――。
何に近づいているかは判らない、だけど、何故かそう思えた。
どんどん近くなっていってる――。
ドクン、と大きく心臓が又、高鳴る。
ドクン、ドクン、ドクン。
帰ろう、そう思ったけど、何故か体がいうことをきかなくなっていた。
また一歩、また一歩と脚は前に踏み出す。
――帰りたい。
その気持ちとは裏腹に、私の足はまた一歩、と前に進んだ。
目に映ったのは、相澤祐一の姿。
ドクン――。
心臓が大きく高鳴った。
その瞬間、ぐらり、と世界が揺れたような気がした。
意識が遠のいていく。
気が付いた時、私は祐一に向かってパチンコを発射していたあとだった。