闇の中の出逢い


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夜の帳が落ちる頃。
月宮あゆ(061)は、草むらの中で震えていた。
「うぐぅ…暗いよう怖いよう…」
暗いところが何より苦手なあゆにとって、この緊迫した状況の中、屋外で夜を過ごさなければならないこと、それ自体が拷問そのものだった。
「ううっ…うぐっ…」
彼女に出来るのは、こうして夜が明けるのをただじっと待つこと、それだけだった。
こんなときに、
「にゃ〜」
「うぐぅぅっ!!?」
突然、目の前から猫の顔が現れたのだからたまらない。
あゆはその場で腰を抜かしてへたり込んでしまった。
「うぐっ…うぐあぅぅあぐあぐあうああぐぅぁあぁぁあ…」
「おい、どうしたんだよ…まったくよ…って」
急に駆けだしたぴろを追ってきた御堂の目に飛び込んできたのは、顔は涙と鼻水にまみれ、うぐぅうぐぅと訳の分からない声をあげ続ける少女の姿だった。
「あぐうあぁ…たすたすたすけたすけたすけうぐあぐうあうあぅ…」
完全に怯えきっている。
殺すのは簡単だったが、いくら御堂でもここまで無抵抗に怯えきった子供をあっさりと殺すのはためらわれた。
「ったく…ちょっと落ち着けよ」

「怖がりにもほどがねえか、お前」
「うぐぅ…だってだって暗かったし怖かったしびっくりしたんだもん…」
「はぁ…じゃあ俺は行くぞ。じゃあな」
御堂が立ち去ろうとしたとき、服の裾が引っ張られた。
「何だ、まだなにか用か?」
あゆはぶるぶると首を振る。
「…離せ」
ぶるぶる。
「離せっての」
ぶるぶるぶる。
困った。こんなガキを連れていったら、間違いなく足手まといになるが、離してくれそうにない。
無理矢理引き剥がしても、この調子だと強引に後を付けてきそうだ。
「…いい。好きにしろ」
そういって、御堂(とぴろ)は歩き出した。あゆは御堂の背中にピッタリ付いてくる。

「はぁ…強化兵がガキのおもりかよ。情けなさすぎるぜ…」

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