ビュッっと音がしたと思えば、右肩を何かが霞めた。
「な、なんだっ!?」
「祐一っ、覚悟っ!」
目の前にいたのは沢渡真琴だった。
「な、真琴っ!?」
真琴に出会えた。それは正直いって嬉しかった。
だけど――こんな状況になるなんて思ってもみなかった。
「なぁ、真琴。冗談だろ?」
真琴は有無を言わず、玉をパチンコにセットして、また、撃った。
ヒュンと、玉は相沢祐一の顔の横を霞めた。
くっ。っと相沢祐一は唇をかみ締めこうおもった。
誰も殺させないと思ってた。みんなを守ろうと思ってた。しかし俺が狙われるとは……。しくじった。予想外の展開だ。
「真琴、落ち着け、とりあえず落ち着くんだ!」
「うるさい、祐一っ!」
真琴は話を聞く気などない。しかし、真琴をとめないとどうしようもない。俺が死ぬだけだ。
だけど、俺はここで死ぬわけにはいかない。――茜に逢うまではっ。
しかし、真琴を撃つ訳には……。
真琴はまた、パチンコに玉をセットした。
「祐一っ! かくごーーーっ!」
「やめなさいっ、真琴っ!」
大きな声が辺り一面に響いた。
その声は天野美汐の声だった。