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「…人が近づいてきます」
姫川琴音(074番)は、そう皆に告げた。
「国崎往人、道間違えずにちゃんと帰って来れたんだね」
みちる(087番)は、のん気にそう返す。
「分かるのね」
水瀬秋子(090番)が尋ねる
「はい…。力が弱まってるので正確には分かりませんが…。国崎さんでない事は確かです」

「やはりこのゲームじゃ…、静かに過ごす事なんて出来ないのかしら…」
水瀬秋子は、椅子から立ち上がり机の上に置いておいた支給武器。。。木の棒を手に取った。
「あなた達は、カウンターの後ろに隠れていなさい。絶対に出て来ちゃ駄目よ」
「でも…、お母さん…」
水瀬名雪(091番)は不安そうに声をかける。
「安心して。あなた達は大丈夫。そして、私もこんな所で……」

ドンッ!

低い火薬の爆発音が、辺り一帯に響き渡ると同時に曇りガラスが粉々に砕け散った。

「キャーーー!!」
悲鳴が響き渡る。

(かなり大口径の銃ね…)
すっかり見通しの良くなった窓枠から冷静に外を伺う。
そこには、1人の男。
「瑠璃子は此処には居ない…。此処に居るのは、瑠璃子と一緒に帰ることを邪魔するヤツら…
 邪魔はさせない。瑠璃子と一緒に帰るんだ。邪魔するヤツは皆殺す皆殺すミナコロスゥゥゥ!」

疾走。
(速い。この付近で戦えばあの子達も巻き込む事になる…)
窓から飛び出し、月島拓也(059番)を喫茶店から引き離しにかかる。
「貴様か。貴様が邪魔をするのか。生かしておけない。邪魔をするなぁ!」

(よし。…国崎さん。帰ってきたらあの子達をよろしくね)

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