賽は投げられた


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目覚めは最悪だった。
非常灯の明かりだけを頼りに雪見はあたりの様子を探る。

あまり寝つけなかった。
多分床についてから2時間と経ってはいないんだろう。

誰もいないデパートの3F、玩具売り場。
喜ばせる主もなく動きつづける兵隊の玩具が実に滑稽だ。

誰もいない建物。なのに出入り自由なこの状況は連中が作り出したものだろうか。
「何から何まで用意周到ね……。」
ここの地下1Fから盗った食料品を口に含む。
そして、一気にミネラルウォーターで流し込んだ。
味なんてしなかった。どんなことをしても辿り着きたい。
そんな憎悪は、目が覚めても薄れはしない。
「まだ時間は有る……」
正確な時間はわからないが、なんとなくそう思う。
(ちなみに、デパートの時計はすべて破壊し尽くされている。)

雪見は新たな道具を手にとった。使えそうなものを自分でかき集めたのだ。
100円ライター 自分で作成したジッポオイル入り水風船(3個…が限界だった)ドラゴン30連(花火)
いずれもココで手に入れたもの。
武器として使えそうなものはほとんど撤去されていて、およそ直接的な武器になりそうなものは
ほとんど置かれてはいなかった。

「絶対に死なないわ。すべてを終えるまで。」
悪魔達には死を。
それを邪魔するものはすべて排除する。

のそりと影が動き出した。
復讐という名の殺戮ゲームへ。

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