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街道(といってしまうのもはばかられる粗末な道)から山へと入ったところにある洞穴。
そこで休息をとる二人がいた。

柏木耕一(019)と天沢郁未(003)である。

未だ耕一はまるで変態みたい(というか変態)な格好ですごしている。
対する郁未は未だ下半身を露出させたままのえちぃ格好だ。
「寄り添いあって眠る姿は、まったく知らない人がみたら
二人は仲のいい恋人(しかも進んでる)に見えなくもない。」
ボカッ!!
「誤解されるような解説をしないで。」
「あ、わりぃ、つい声に出てたか。」
(声に出さなきゃいいってもんでもないでしょ……)
耕一は郁未の姿を確認する。
「少しは寝てろよ…俺が周囲は気を配ってるからさ。」
「私は眠くないのよ…あなたこそ寝たら?」
嘘だった。思っていた以上に精神的な衰弱が激しい。
そんな郁未を見かねて耕一が休もうと無理やり言い出したのだ。
「俺はさ、ほら、戦闘のあとしばらく寝てたから…」
あれは気絶だ。
「……あなたは不安じゃないの?
こうしてる間にもみんなが…大切な人の命が危険にさらされてるかもしれないのよっ……!!」
「……」
郁未は声を潜めながらも、叫ぶ。
「俺はさ…」
一瞬の静寂。それはすごく長く感じられた。耕一が先にそれを破る。
「確かに心配だ…今すぐにでも行動したいという思いももちろんある。」
「だったらっ……!」
「だけど、俺が…俺達が死んだら残されたみんなはなんて思う?」
「えっ……?」

「きっとすごく悲しむと思うんだ。俺や、従姉妹のみんながそうだった。」
親父が死んだあの事件、今も忘れられない。耕一も、千鶴達も。
「だから…休むときは休む!万全な体勢で望まないとな!」
「……」
(お母さん…)
お母さんの、晴香達みんなの悲しむ顔…見たくない。
「確かにそうね…」
「みんなも、俺達も笑って帰ろうぜ。だからいまは休め……」
「うん…ありがと…」
郁未は少し安心した顔を見せ、そのまま意識は闇へと進んでいった。


(だけど……どう行動するべきなんだろう)
移動中、郁未が言った言葉……

「高槻…あいつはバカで高慢ちきだし、髪の毛だってハートチップルよりくさいけど、
決して無能じゃない……そんなやつがなにも企んでないと思う?」
最悪の場合、私達の手の届かないところに黒幕が存在してるかもしれない……

「真の……黒幕ね……」
誰にでもなく、耕一の声が洞穴に通った。

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