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沢渡真琴(045)は暗い森の中を歩いていた。
先ほど祐一と遭遇したのはいいが、気が動転してパチンコ玉を撃ってしまった。
「あうー、何であんなことしたんだろ…」
自分でもわけがわからなかった。
初めて知人に出会ったというのに、自らその接触を避けてしまった。
「ぴろもいっしょにここに来たと思ったけど気付いたらいなくなってるし、これからどうし…
と、そのとき突然真琴の髪の毛が後ろにすごい勢いで引っ張られた。
「ぎゃー、イタイイタイ!なにすんのよー!」
「みゅ〜」
その髪の毛を引っ張った人間は椎名繭(046)であった。
「何!なんなのよあんたはいったい!」
「みゅ〜」
「『みゅ〜』じゃないわよ!!
 それにしても痛いわねー、髪の毛抜けるかと思ったじゃない!」
半泣きになりながら真琴が文句を言う。
「みゅみゅ!」
それに対して、何も悪ぶれずに繭はうれしそうな顔をしている。
知人と似た髪形の人を見つけて、ついいつものようにしてしまったのだろう。
「何よ、私とやる気なの?」
「みゅ?」

はたしてこの少女は今回のこのゲームの趣旨を理解しているのだろうか。
なんともいえない表情で、真琴を見つめ返してくる。
「ま、まぁいいわ。見逃してあげるから、さっさとどっかに行きなさいよ」
「みゅ〜」
まったく移動しようという気配のない繭
「…いいわよ、私が他のところに行けばいいんだから」
そして、振り向き、その少女から離れようとした。
十数歩歩き後ろを振り返ってみるとぴったりとくっついてきている少女の姿があった。
「なによ、ついてこないでよ」
「みゅ〜」
悲しげな声で繭が答える。
「そんな声出したって知らないんだから」
なおも悲しげな表情で真琴を見つめる繭
「う、うう…わかったわよ!ついてきたければついてくれば!」
「みゅ〜!」
とたんに繭がうれしそうに答える。
「なにかあっても知らないんだからね!」
と言いながらも真琴のほうもまんざらそうではなかった。

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