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「こんな島に、なんでこんな施設があるのかしら」
 桑嶋高子(038)はひとりごちた。
 歩いているうちに、気がつくとキャンプ場のような施設に辿り着いていた。
 横目に無人のテニスコートを見ながら、高子はふぅっと肩を落とした。
(蝉丸さん、それに月代ちゃん、無事かしら……夕霧ちゃん、本当に死んじゃったの……?)
 快晴。
 冴え渡った空から降ってくる爽やかな日差しも、高子にはまるで自分をせせら笑っているように思えた。
(ダメね、こんなことじゃ。さぁ、シャキッとして、皆さんを探さないと……)
 気合を入れるため、高子は手にした木刀を強く地面に突き立てた。
 武器として支給されたものだったが、高子はこれを杖として以外に使うつもりはなかった。
(誰が考えたのかわからないけど、こんなのって絶対間違ってると思うわ……
 私に、乗り気になってる人たちを説得する力でもあればいいんだけど)
 そんなことを考えながらテニスコートの角を曲がると、炊事施設のある、やや広い場所に出た。
 そして、そこには人がいた。
(あら、何かあったみたいね……でも、お邪魔……なのかしら)
 高子から見えたのは三人。背中から血を流し、うつ伏せに倒れている少年。
 そして、地面に座り込んだ男女はまさに熱烈に口付けを交わしている最中だった。
(覗くのも悪趣味だし、戻りましょうか。……それにしても、妬けるわね)
 高子はこの状況でそんな冗談が出てくる自分をおかしく思い、クスクスと笑う。
 が、それがいけなかった。
 視線を戻した時、笑い声に気がついたのだろうか、女の方が驚きの視線で高子を見ていた。
「誰……誰なのッ!?」

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