戦闘準備
「・・・・あった」
浩之は住宅地の一角にある資材置き場から武器になる物を見つけだした。
ダイナマイトが20本。本当は銃器の類が欲しいところだったがここに来るまでの
間に銃をもった者と遭遇することはなかった(代わりに雅史の死体からドラッグを入手していた)。
(誰から殺すべきか)
そう浩之は考えて何人かの知り合いの顔を脳裏に浮かべた。
(委員長は銃を持っていたな。だがあの知らない女と二人掛かりでこられると厄介だ
さっきの放送でもあかりの名前はなかった。 今の武器で抵抗なく殺れるのはあかりかあるいは、理緒ちゃんかだな)
浩之は殺し合いというこの状況下で誰をどう切り捨てるかを単純かつ冷静に分析していた。
普段の俺が今の俺を見たらなんと言うだろうか?
そんなことを考えながら浩之は他の工具箱を漁っていた。
「これ、使えるな」
そう言って浩之は電動釘打ち器と大量の五寸釘を取り出した。
使えそうなのはこれぐらいか。
そう思って資材置き場を出ようとした浩之は人の来る気配を感じて
再び身を隠した。 其処にやってきたのは標的の一人、雛山理緒だった。
銃を手に誰かをさがすようなそぶりをしている。
好機とみた浩之は理緒の頭に向けて死角から電動釘打ち器を構えそして
発射した。