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御堂(と、あゆとぴろ)は、湖を発見した。
凡人ならまずこう考えるだろう…『水を飲もう』
だが、御堂は警戒していた。
死亡者の発表で、確かに(008)岩切花枝の名は呼ばれていた…
戦場では情報のかく乱はよくあることだ。
もし、あの放送が嘘…あるいは誤報であったとしたら…
「おじさん、湖だよ。…水浴びしてきて…いいかな?」
「駄目だ」
「え?だって…」
「駄目だって言ってんだろ!」
「うぐぅ…ひどいよぉ…」
御堂は湖畔をつたって迂回することにした。



「おい、ガキ」
「うぐぅ…ガキじゃないもん、あゆだもん」
「…ったく、あゆ」
「なに?」
「水浴び…してきてもいいぞ」
「えっ、ホントに?」
あゆの顔に華が咲く。
「あぁ、その邪魔くさい猫も連れて行け、のどが渇いてるみたいだからな」
「うん!」

何故、御堂はあゆが水辺に近付くことを許したのか。
それは、あの放送が真実であるという『確証』が得られたからである。
「岩切…」
御堂は正直驚いていた。
『一体、どんなバケモンがいやがるんだ?』
水中では鬼神の如き強さを誇る岩切が…湖から引きずり出され、殺された。
信じ難い事実であった。
彼女は、肋骨を数本折られ、首を折られて絶命していた。
顔は恐怖で目をカッと見開いていた。
御堂は亡骸を埋葬し、黙とうを捧げた。
「…同じ時代を生きてきた奴が…また一人減ったな…」
その言葉は、彼の孤独感を現していた。

御堂は何者かが近づいてくる気配を感じていた。
『殺気はない…この気配…強化兵か?!』
彼の身が震えた、武者震いだ。
――――――――――坂神!!

「残念ね、坂神蝉丸じゃなくって」
声の主は(006)石原麗子だった。
「貴様は、安宅みや!」
「誰なの?私はそんな名前じゃないわよ」
御堂は一度、彼女と一戦交えた事があった。
結果は惨敗。手も足も出ず、片腕を切り落とされた。
「俺を殺すのか?」
「あなたには興味無いわ、あなたが私の邪魔さえしなければ見逃してあげる」
「このアマ〜、ふざけるな!何が目的だ!」
「そうね…私の目的は主催者を殺し、この島から脱出すること。あなたは?」
「俺か?俺は坂神蝉丸を消す、これが最大の目標だ」
麗子が素直に問に答えたので、彼もめずらしく正直に答えた。
「ふふっ、あなた、坂神蝉丸を殺してどうするの?」
「完全体と崇められてきたあいつを殺し、俺こそが完全体であることを証明してやるのさ」
「へぇ、誰に証明するの?」
「俺を、不要だと言いやがった奴らにだ!」
ややあって、麗子は…ふぅ、とため息をついて言った。
「軍部は滅んだわ、そんなことしても誰もあなたを評価しないわよ?」
「うるさいっ!黙れ!」
御堂は銃を麗子へ突きつけた。…が、麗子は眉ひとつ動かさない。
「軍部はあなたを必要としなかった…でも今はあなたを必要としてくれる人がいるじゃない」
そう言い残すと、彼女は御堂の前から立ち去った。

「俺を必要としてくれる人?…誰だ?」
御堂は先程の麗子の言葉の意味がよく分からなかった。
彼はあゆが水浴びをしている方へ歩み寄った。
「おい、あゆ!水浴びはもうお終いだ!」
「おじさん、のぞかないでよぉ!」
「わっ!こ、こら!水はやめろ!」
「あ、あとね、こんなの拾ったんだよ」
「……な、何を拾ったんだ?」
「だから見ちゃ駄目だよぉ!!」
「わわっ!見なけりゃ確認できねぇだろ!!」
あゆの『女性らしい』一面を見てしまい、動揺を隠せない御堂であった。

【月宮あゆ ポイズンナイフ回収】

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