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Lost Joker


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資材置き場で理緒を殺害した浩之は、住宅街の民家の一つで食料を探していた。
というのも彼が出発時に支給された食料はここまでの戦闘で痛んでしまい
食べられる状態ではなかったからだ。
民家に侵入して冷蔵庫を漁ってみたもののめぼしいものはなく、ここでは
ペットボトルの水と何種類かの生野菜を口にしただけだった。
(料理をしなかったのはにおいで居場所を知られないためである)
――殺した奴から奪うか――
浩之はそう考えた。
あのとき理緒の鞄を回収しなかったことが悔やまれる。
――今から資材置き場に戻るか――
一瞬そう考えて浩之は頭を振った。 あの時の戦闘時の銃声で誰か来ているなら
危険だ。 今の自分は武器があってもまだ体力が完全に戻っていない。
ここで戻るより他の場所で奪うほうがいい。
そうと決まれば移動しよう、と思ったとき浩之はこちらに近ずいてくる足音に
気づいた。 他の音がしない分よく響く。
――早速獲物が来た――
浩之は電動釘打ち器を構えると玄関の隙間から様子をうかがった。
そこに現れたのは理緒の鞄からCDを回収した月島瑠璃子
(060番)であった。

――知らない顔だ――
浩之はそう思った。 しかし存在感を感じさせないまるで人形の様だ。
――そういえば先輩の感じに似ている。いや、先輩よりセリオか――
そこまで考えて浩之は本来の目的を思い出した。
――玄関前を通り過ぎたら背後から撃つ――
CDの回収と理緒と千紗の死にうかれていたのか?瑠璃子は浩之の気配には
気づくことなく民家の前を通り過ぎた。
――今だ!!――
浩之は玄関を飛び出すと瑠璃子の背に五寸釘を発射した。

バスバスバスバスバスッ!!!

その音に瑠璃子が振り向くのと五寸釘が彼女の両の眼窩と額を貫いたのは
ほぼ同時であった。
浩之はまるでこうなることがわかっていたかの様に表情一つ変えずに
断末魔の痙攣をつづける瑠璃子の心臓に五寸釘を発射した。

バスッ!

見る見るうちに血溜まりが拡がっていく。
「ジョーカー」は任務を果たすことなく狩られた。

浩之は瑠璃子の死体とディバッグを民家に運び込むと中身の確認を始めた。
――これじゃまるで盗賊だな――
浩之は自分の行動に苦笑しながらディバッグの中から目当ての
食料を手に入れた。
――まだ何かないか――
そう思って浩之がディバッグを探ると中からCDを見つけた。
「なんだこりゃ。まあいいか持っていよう」
浩之はCDを自分のディバッグに放り込むと今度は瑠璃子の身ぐるみを
はがし始めた。
「大したものは持っていないな。ん、これは?」
浩之は液体の入った小瓶を瑠璃子の服から見つけた。
「これも持っておこう」
その後釘打ち器に五寸釘を装填した浩之は民家を後にした。

【CD2枚 毒の中和剤藤田浩之の手により回収】
【毒の布 コンパスは放置】
【060 月島瑠璃子死亡】
【残り 68人】

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