四人目
(リアンちゃんは披露が濃くなっている、舞さんは大丈夫だけど
姉さんは体力がないからそろそろキツイわね。)
リアンが祈るような格好で神奈とのリンクをはじめてから数分、
綾香は状況を把握するほどの余裕があったが決して目の前の翼を持つ少女から
目をそらさなかった。と、少女のフォルムが変化をはじめる。
まるで、苦痛に歪み、自分の中からなにかを押し出すように。
「あの子の中で二つのものが戦ってる。」
「そろそろクライマックスみたいね。」
もはや少女の面影など見えず、禍禍しい輝きをたたえ始めた光はいくつかに分裂し
怒り狂ったように辺りを飛びまわり始めた。
「「きゃあっ!」」
佐祐理と南の悲鳴が重なり二人は吹き飛ばされる、自分たちだけが狙われていると思っていた
三人の心に戸惑いが浮かぶ。
「佐祐理!」
「だめよ、飛び出しちゃ!リアンちゃんが何とかしてくれるまで耐えるのよ。」
しかし舞の動揺は押さえきれるものではなかった、今までのような動きが出来ていない。
その隙を縫うように荒れ狂う光は舞に襲いかかる、直撃を受けた舞は起きあがれないだろう。
一気に防御が薄くなったリアンへ向けて光が狙いを向けた。
綾香と芹香は二人でリアンと光との間に身を割り込ませ、襲い来る光をなんとか防いだが二人とも
弾き飛ばされてしまった、もうリアンを守る壁はない。他の光が一斉にリアンに牙を向ける!
その場にいた誰もが光に飲み込まれるリアンを想像したその瞬間、薄い赤色の壁がリアンの前に
現れ、牙をむく光をはじいた。
「妹がピンチのときに駆けつけない姉なんていないのよ。」
地面に吹き飛ばされ、天地が逆になった綾香の視界が捕らえたものは
ピンクの髪と触手を持つ、ナイスな体系の女性だった。