エンジン始動
瑠璃子の殺害後
浩之は再び資材置き場に戻っていた。 まだなにかあるのではと思ったのだ。
幸い資材置き場には人影はなかった。浩之は資材置き場のプレハブ小屋に入ると
今後の作戦を考えていた。
――生き残るために他者は全て殺す――
これは絶対条件であった。 では誰から殺すか。そう考えた時浩之は
今まで殺した人間の共通項を思い出した。そして思った。
――あいつらはみんな女だった。ならばこれからも女を狙えばいい――
男と行動している奴はまとめてダイナマイトで吹き飛ばせばいいんだ。
そうと決まれば行動開始だ。
「その前にやらなきゃならないことがあるな」
浩之はそう言うと資材置き場の各所に罠を張った。
資材置き場入り口には扉を開くとたてかけてある鉄パイプが倒れてくるように
コンテナ入り口にはやはり扉を開くと上からペンキが降ってくる仕掛けを
そして各所に落とし穴(底に鉄パイプ付き)を
これで自分と同じ事を考える奴が来ても得られるものはない。
命を失うだけだ。
罠を張った浩之は体が痛まない事に気がついた。
――体力が戻ってきているんだ――
浩之は資材置き場を後にして再び走り出した。
殺戮者の真の恐怖が始まる――――