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一つの終焉(後編)


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「楽しめたかしら?」
石原麗子は余裕の表情で雪見を見上げた。
すでに傍らのボウガンに矢はついてはいない。
彼女の足は先の被弾で立ちあがれない程のダメージを負っていた。
「――そうね。どうして生きてるのか不思議なぐらいよ。」
雪見が片腕でライフルを構え、一歩一歩歩み寄ってくる。
左腕の先が真っ赤に染まり、血が地面にまで滴っていた。
罠はまだ左手に噛みついたままだ。取るまでもない。感覚がないのだから。
胸の傷もじくじくと雪見を蝕む。
まさしく満身創痍という言葉がぴったりだった。
「最後に一つ聞かせて。」
雪見が麗子の胸の真上からライフルを押し当てる。
「川名みさき、上月澪…この両名に聞き覚えは?」
まるでそれは日常会話のように。
「放送で流れたコ達ね…知らないわね。それに私はまだ一人も殺してないもの。」
当たるはずの矢が当たらない。
かろうじて最後の1発の矢が狙い通りだったぐらいだ。結局よけられてしまったが。
「そう。」
短い答え。麗子は余裕の表情を崩さない。
「あなたは何故戦っているのかしら?」
「……」

50年前……この孤島で殺戮ゲームが行われた。 それがたぶん第一回目の狂気。
誰もいない無人の廃屋でぶるぶると震える少女。
『いたぞ……へへへ、上玉じゃねぇか……殺す前にいただいちまうか……』
『いや、いやぁっ!』
悲鳴をいくらあげようともやむことの無い凌辱の宴―― 気がついたら、拳銃を片手に、血まみれで立ち尽くしていた。 それがたぶん最初の殺人。狂気の始まり。

「せいぜいがんばるのね。お嬢ちゃん。」
「言われなくても……ね。」
ライフルを地面に放ると同時に、サバイバルナイフをふり上げた。
(まあ、死ぬときはあっけないものよね。)
麗子が薄く笑う。そして……

石原麗子、何が望みで何が目的で……
それはもう、おそらく誰にも分からない。

006 石原麗子 死亡
096 深山雪見 胸の怪我悪化  左手再起不能  罠(熊用)回収
047 篠崎弥生 無傷にて逃走  罠(熊用)紛失

  【残り64人】

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