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苛立ちと愉悦と


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「ジョーカーか……。存外、役立たぬものよな?」
 潜水艦内で高槻は一人ごちた。
──しかも、参加者同士でまたつるみ始めていやがる。ゲームもそろそろ
終盤の時期だって言うのに……──
 そこで、高槻は何か良いことを思いついたというように顔をほころばせる。
「次の放送時にはジョーカーが存在することを発表して、奴らをまた、
かき回してやろうか? 名前を明らかにする必要はない。だから、
ジョーカー共が実際に何人残っていようが関係ない。今現在も、仲間のように
溶け込んで、最大最高の機会を狙っているはずだと吹き込んでやれば、
もう一度疑心暗鬼の状態に戻るはずだ。そこで再び殺し合いが起こればよし、
起こらなくても、ジョーカー達にはやりやすい状況になるだろうよ」
 高槻は『くくく』と低く笑った。
 時計に目をやり、次の放送まで、もうしばらく時間があるのを確かめる。
 そして、別のことを思い出して手近なメイドロボに話しかける
「おい、このままで、あとどれくらい潜っていられる?」
「はい、途中予期せぬ事態に襲われたため、はっきりとした時間はお答え
できません」
 問われたメイドロボは抑揚無く答えた。
 その抑揚のなさに高槻はいらだった。
「はっきりとは……じゃあない! 確認しとけ!!」
 ──全く、コストばかり高くて使えん奴らよ……──
 そうして高槻がいらだっていたのもしばらくの間だった。
 数分後には、次の放送で再び参加者達の表情が曇ることを夢想し、
再び下卑た笑いを漏らし始めていた。

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