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漢の約束


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「……すまない七瀬、茜を許してやってくれよ……」
息も絶え絶えに俺は囁く。急激に体温が下がったように寒い。
「馬鹿、どうしてよ!」
「いいか……よく聞いてくれ、柚木詩子とそれから祐一ってヤツを探してくれ、そして
茜を頼むって伝えてくれよ、俺じゃどうも駄目みたいだ……
どうにかして茜を止めてくれって……」
「どうして、どうして、あいつはアンタを殺そうとしたのよ! さっきの学校でもいきなり発砲してきた
そんな危険なヤツなのよ!」
「頼むよ……本当はやさしいやつだから……それに七瀬と茜が殺し合いする所なんか見たくない…」
「どうして……普段は馬鹿でいたずらばっかりの迷惑野郎なのにっ!
どうしてこんな時だけ優しいのよ! 折原は優しすぎるのよ!
そんなだからアタシ……アタシ折原のこと……」
俺は七瀬の言葉を遮って続けた。
「それから繭の事も……頼むな、もう生き残ってる知り合いはお前だけだから……」
「イヤ、嫌よ! 折原死なないでよ! 私また壊れちゃうよ!」
泣きながら叫ぶ七瀬、俺だって死ぬのは御免だ……でもやっぱり今度は流石に駄目みたいだ。
段々と意識が遠くなる。まだだ、まだ死ねない、このままじゃ七瀬が……
俺はポケットを探ってあるモノを手にとって七瀬の前に差し出した。
「これ受け取ってくれよ」
「これ……瑞佳のリボン?」
瑞佳のしていた黄色いリボン。
「お前は生き残ってくれよ……七瀬」
「折原……折原ぁ」
「いいか……漢と漢の約束だぜ」
眠る前の耕一との約束を破っておいてよく平気でそんな事が言えたもんだと自分で呆れたが
そういって精一杯の笑顔で七瀬を見た。
最後までお前に怒られてばっかりだったなぁ……

騒ぎに気が付いた耕一がロッジから出て見たものは
浩平の体を抱きしめ泣きじゃくる七瀬の姿だった。

【043 里村茜 ナイフ紛失】
【014 折原浩平 死亡】
【残り 35人】

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