silent presence
森の中の、とある茂みの中。
牧部なつみはその中で息を潜めてたたずんでいた。
スフィーから銃をもらい、なつみは茜を探してしばらく森の中をさまよっていた。
しかし、そう簡単に見つかるはずもない。
歩き疲れて道ばたで休んでいた時、なつみはふと考えた。
――そうだ。別にこっちから探さなくても、向こうからやってくるのを待てばいいじゃない。
こっちは拳銃を持っているんだし。――
そう気付くと、なつみは身を隠すのにちょうどいい茂みを探し、その中に座り込んだ。
いつでも撃てる体勢にできるよう、右手にはトカレフを握ったままで。
それから数時間、なつみはじっと待っている。
しかし、かつて教室の中で短刀を手に震えていた時のような不安や恐れは、
今のなつみには全くなかった。
なつみにはただ一つの、はっきりした目的があったから。
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【牧部なつみ、里村茜を狙撃すべく潜伏中】