Good-bye dears/Good-bye tears
探し物はなんですか?
見つけにくいものですか?
部屋を出て数時間。
探し物は、あっさりと見つかった。
「ヒロユキ……あかり……」
二人抱き合っている、死体。
その死に顔は……
「幸せそうじゃないか?」
「……そうネ。幸せそうだヨ……」
彼等は知らない。
この二人が、どんな絶望を乗り越えて、愛しあうことができたのか。
それでも、最後は幸せだった。
それだけは、はっきりとわかった。
「せめて埋めてあげようかと思ったけど、なんか、動かしたら悪い気がするヨ」
「そうだな。なんというか、二人の世界を作り上げてるって感じだな。
と、あれはこの二人の荷物か……
拾ってくるけど、もう少しここにいるか?」
「……そうするヨ」
それだけ訊き、北川は二人の荷物を回収しに行った。
「中身は……CDが二枚もあるじゃないか。
1/4と……何も書かれていない?
使わせてもらうぞ」
浩之とあかりの鞄の中身を自分の鞄にうつす。
「重……そっちはもういいか?」
「うん、いいヨ!」
「じゃあ、行こうか?」
北川が先に歩き出した。
レミィも続こうとし、一度振り返る。
「バイバイ……大切な、トモダチ……」
青い瞳に涙を浮かべて。
振り切るように、駆け出した。
【浩之、あかりの荷物は北川が全回収】
【琴音は放置】