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いろんな意味で負けるな御堂!


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雑木林の小さなくぼみ…それは自然の塹壕であった。
「なんで…なんで入らないのよぉ…ふみゅ〜ん」
(011)大庭詠美はそんな寝言を言いながら2匹の騎士と共にすやすやと眠っていた。
それを眺めていた(089)御堂は呆れ顔で彼女の握りしめているマガジンを取り上げた。
「ったく、世話が焼けるぜ…」
ボヤきながら紙箱に詰まった弾丸を手に取り、マガジンに手際よく装填した。
「ホレ、いっちょあがりだ」
弾を入れ終えたマガジンを、そっと詠美の手元へ戻した。
「う、ん…」
詠美はそんな事には気付かず、熟睡している。
今まで、ワガママばかりわめき散らしている詠美しか見た事が無かった御堂には、彼女の寝顔が新鮮に見えた。
「しっかし、こいつ…黙ってりゃあ結構可愛いじゃねぇか…」
つい、彼女の表情を凝視してしまう。ショートパンツからフトモモがちらりと見えて実に艶めかしい。
意識して見た事が無かったが、胸もふくらんでいる。
「う…」
不覚にも欲望がムラムラと湧き上がってきた。無理もない。
健康な男であったら誰もが感じる感情である。
しかし、御堂は動揺していた。そんなことは己のプライドが許さなかったのだ。
「(落ち着け!落ち着くんだ御堂!たかが小娘に何を欲情してんだ!?変態か!?)」
しかし、心とは裏腹に、視線は無防備な少女へ注がれている。見れば見るほど魅力的な肢体だ。
「(いかん!雑念を払え!雑念を…そうだ、作戦だ!これからの作戦を考えるんだ!まず、フトモモ…違う!
か、柏木とかいう女を探すんだ!それから…岩山へ行って…あのスカした眼鏡の白衣野郎をぶっ潰してやる!
…って、柏木って何処にいるんだ?…情報…まずは情報を得るのが先決だな!情報、情報、情熱…情事…)」
「んんっ…ふぅ…」
タイミング良く、詠美の口からセクシーな声が漏れる。
つぅ…
と、同時に御堂の鼻からも鼻血が滴る。
「いかん!いかんいかんいかんいかーーーん!!」
バチーン!!バチーン!バチーン!
野獣は己の頬に喝をいれ、ようやく落ち着いた。
彼は気付いていなかったが、彼の骨折は大声が出せるまでに癒えていた。

「ん…あっ、朝だぁ」
朝日を見据えて、詠美がつぶやく。
「やっと目醒ましやがったか…ったく、どれだけ俺が我慢したと思ってやがんだ」
「へ?アンタ、何をガマンしたの?」
「し、知るか!こっち見るな!!」
御堂は慌ててそっぽを向いた。
「何よぉ、変な奴ぅ〜…あぁっ!ちょっと見て見て!いつの間にか弾が入ってる!」
彼女はそう言うと、御堂が弾丸を補充したマガジンをブンブン振りながらはしゃいだ。
「寝てる間に出来ちゃうなんて、あたしってやっぱり天才?ホラホラァ、アンタも見習いなさいよっ!」
「…詠美、お前…ずっと寝てろ」
「ちょっと、それってどういう意味ぃ?」
「そのまんまの意味だ。ハァ…一瞬でも欲情した俺が馬鹿だったよ」
「浴場?お風呂に入ったの?」
「もう知らん」

朝食は『サバの味噌煮』缶詰だ。
御堂はいつものナイフで2人+2匹分の缶の封を切る。
「ねぇ、毎回魚なんて、飽きない?」
「しょうがねぇだろ、これしか無えんだから」
我慢しろ、といった態度で御堂が答える。しかしワガママ詠美も食い下がる。
「あるじゃない、ホラ♪」
と、詠美の視線の先には…『白桃』 通称・風邪の特効薬である。
「これは昼の分だ、今はダメだ」
「ヤだ。今食べたいの!」
「これ食ったらお前の昼飯が無くなるんだぞ?分かってんのか?」
「いいのっ!こみパの女帝はそんな小さいことなんか気にもとめないのよ!」
「はいはい、分かった、分かりましたよ」
根負けした御堂は詠美の指示通り、桃缶を開けた。
「ほらよお姫様」
「うふふふふふ…これよこれっ!」
嬉しそうに桃缶を眺める詠美。
しかし、そんな緩やかな朝の空気は一瞬にして凍りついた。
異変にいち早く気付いたのはぴろとポテトであった。
「にゃにゃ!?」
「ぴこぴこっ!?」
動物達の野生の直感が危険だと知らせたのだ。
「!!」
続いて御堂も、迫り来るとてつもない威圧感を感じ取り、体全体に悪寒が走った。
「いっただきま――――」
「伏せろ!」
がばっ!
「ちょっ―――もがっ!?」
とっさに御堂は詠美の頭を押さえつけ、口を塞ぐ。
桃缶は地に落ち、土が果肉にへばり着く。
「あたしの桃缶…」
「シッ!声を出すな!…かなりヤバいのがおいでなすったぜ…」
「あたしの桃缶…」
ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!
そこへ現れたのは背中に愛娘の亡骸を背負った(090)水瀬秋子であった。

【大庭詠美&御堂 水瀬秋子と遭遇】
【御堂 完治まであと 3時間】
【詠美の桃缶 死亡 桃缶残り 1つ】

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