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天を衝く剛拳! 幕間


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「(・∀・)……」
接近しての殴り合いに移った二人を月代は見つめる。
蝉丸が倒れればハラハラし、彼の攻撃が当たったなら喜んだり興奮したり。
あまり……なんというか”この島っぽくない”戦いに月代は浸っていた。
なんとなくこういう乗りは性に合うのだ。

「(・∀・)……」
なんていうか……あのおじいさんおかしい。
と言うか強すぎ!?
なんで蝉丸の相手してあんなに優位っぽいの?
うちのおじいちゃん――と言っても蝉丸だけど――と同じくらいの年に見えるのに、
ぜんぜんぜんぜん……。
こんなに違うものなのかなぁ……。
蝉丸すっごく強いのに、なんだかちょっと押され気味。
御堂さんや光岡さんと戦ったときみたいだ……。
やっぱり剣を使った戦いのほうが得意なのかな、蝉丸……?

両腕にずっしり重い日本刀に目を移す。
長くて、それでいて切れそう。
思わず鞘から刃を出してみる。
ぎらりと光を照り返す。
綺麗……。
だけどそれはあまりにも危うすぎる美しさで……。

剣を握る。
目の前に闘う者が二人在り。
無防備な背中が見える。
剣を鞘から抜く。
重い、でも両手で抱えればどうにかなる。
重さに任せてそれを振り下ろす。
剣は見事にその人の背中を切り裂く。
一体それは蝉丸かおじいさんかは分からぬままに……。

――ハッ!?
い、意識があっちの世界に逝ってたみたい……。

ブルブルブルブル!

顔を思いっきり振った。
一瞬取り付かれた思考は、ずいぶんと物騒なものだった。
……恐かった。

再び闘いに目を戻す。
今目にしている光景が、やたらと親しげに感じる。
殴り合いなんて野蛮だと思う。
でも、これはそんなところの話じゃなくて……。
私を、何故か熱くする。
血の匂いも、しない。
単なる命の奪い合いでない、高い次元で互いの技と力をかけて凌ぎあうその、
闘いの為に為される闘いの純粋さに、月代は心を奪われていた。
闘いの中に身を置く者の喜び、それは即ちこのようなものなのだろう。

月代の目に映った二人の表情は、苦しそうでもあり、恐そうでもあり、
だが同時に満足気でもあるように見えた。

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