「D」Dream
「ひとりでいたいんだろ? これまでひとりでやってきたんだろ? ナァ? どうなんだ、国崎往人?」
「……違う。俺には守らなきゃいけない人がいる」
往人は、黒色の生物に、そう答えた。
黒色の生物は目を大きくさせて、
「なにをいってるんだ? 守らなきゃいけない? お前には無理だよ。無理」
と言った。
「無理なんかじゃない! 俺は、俺は!」
「また、殺すのか。 何人も、何人も、その手で殺していくのか。それがお前の守ることなのか」
「違う!」
「無理だね。偽善的なコトをいってるんじゃないよ。君は、生き残ればいいんだよ、結局。他のヤツを殺すために守る、という理由をつかって殺そうとしているだけさ」
「違う!」
「違わないさ」
「違う! 違う! 違う! 違う! 違う!」
「何度いっても同じさ。」
「違う!」
気づいたら、国崎往人は、目の前の烏を、握りつぶしていた。