伏魔〜影〜
そもそも、何故長瀬がこんなところで潰し合いを演じなければならないのか?
結局その答えを知るものなど誰もいない。
余の存在など、かくのごとく希薄。
たとえ、どのような陰惨な結果に終わったとしても、
それ以上に手をかけることなど出来ない。
始めだけ。
結局は始めだけ。
人の心、最後まで操るなど敵わぬこと。
そんなこと、とうの昔から分かっていたはずなのに。
下界で、操り人形のごとく動く人々。
――所詮、余は籠の中の小鳥。
【源四郎、源三郎のどちらが生き残ったかは次の書き手に任せる】