一歩
いつか……どこかでは踏ん張らなきゃいけなかったんだ。
俺は、ゲームに振り回されて、そう思ってずっと流されていた。
結局、逃げていたんだ。
あの女の言うとおりだった。
どうしようもなく、甘ちゃんだった。
誰かが殺し合いをやってるだとか、
武器を持たされたとか、
そんなことは些末だった。
皆同じなんだ。
たくさん人が死んで、
たくさん、もしかしたら殺して、
でも、それでもその人たちはきっと、
”自分”に誇りを持って、
一つ、成し遂げようとしていたに違いない。
俺の出会った人は皆そうだった。
結局俺は、誰一人守れてない。
誰一人救えてない。
ずっと後ろ向き。
でも、
もう、
甘えは、許されない。
目を背けては、いけない。
さあ、いくぞ。祐一。
お前は、これからやらなきゃいけないことがある。
一歩を……踏み出すんだ!