俺達は……!?
「なんで、俺はこんなところにいるんだ?」
相沢祐一のふたりに向けられての最初の言葉はこうだった。
相沢祐一は記憶を無くしていた!
そう宮内レミィ、北川潤のふたりが気づくまで時間はかからなかった。
ふたりは祐一をとりあえず休憩できそうな、少し高い草の生えている、草むらを探し、そこで話をすることにした。
祐一は動こうとしなかったのだが、なんとか北川が背負い、この場所までつれてきたのだった。
そこで、判ったことが、相沢祐一はここに来るまでの記憶をすべて無くしていた。ただそれだけだった。
少し休憩をしていたうちに、相沢祐一の元気が少し、回復したようなので、北川は質問を行うことにした。そんなに同じ場所にずっと居座るのは危険かもしれない。と思ったからである。少しでも、覚えてあることがあったらそれだけでもいい、教えて欲しかった。
それに、相沢祐一が倒れていたということは、近くに危険があるかもしれない。ということかもしれないのであった。
「相沢、俺の事はわかるんだよな?」
「あぁ、判る」
「で、こいつのことはどうだ?」
「ゼンゼン知らない。誰なんだ、そいつは?」
そう祐一がレミィの方を見て、言った。
レミィは、潤の腕をつかんで、声をあげた。
「ワタシ達は!」
それに併せて、北川も声をあげる!
「噂のカップル!」
「レミィと!」
「潤だっ!」
カップル。
その言葉を聞いた瞬間に、ずきり。と祐一の頭が痛んだ。
「悪い、少し休ませてくれ」
そろそろ、移動したほうがいいのでは、と北川は思ったのだが、仕方がないので、もうすこし、この場に居座ることにした。
「あぁ、判った。少しだけな」
相沢祐一は空を仰ぎ、ごろん、と寝転がった。