彰のないしょ
どれくらい眠っていただろうか?
目がさめたときには周りに誰もいなかった。
ただ、喉が渇き、体が餓えていた。
何かをたまらないくらいに欲していた…
そのとき、部屋のドアが開き初音ちゃんが入ってきた。
僕の体がビクンと反応した。
「あ、彰お兄ちゃん!目を覚ましたんだ!?それとも私が起こしちゃったかな?」
心配そうな顔で僕のほうを見る初音ちゃん。
僕はただ首をゆっくりと横に振るだけだった。
「よかった♪」
そして、初音ちゃんは僕の側で血で真っ赤な包帯を片付けたり、
僕の額の上にある濡れたタオルをかえてくれたりした。
「彰お兄ちゃん、具合はどう?気分とか悪くない?痛いところとかない?」
初音ちゃんが真剣に僕の目を見ながら聞いてくる。
僕は大丈夫とゆっくり呟いた。
それと同時に僕の心の中の何かが動く。
『ドクンッ』
「ねぇ、彰お兄ちゃん。喉渇いてない?お水持ってこようか?」
と言って初音ちゃんは僕のほうを優しく見つめる。
僕は頷き、初音ちゃんがうんと言って、水を取りにいこうとした。
しかし、初音ちゃんはガクッと何かに引っ張られた様に静止する。
初音ちゃんは不思議そうに僕のほうを見つめる。
それもそのはず、初音ちゃんを静止させたのは他の誰でもなく僕自身だったからだ。
そして、初音ちゃんの体をぐいっと引き寄せると、
初音ちゃんがどうしたの?と言おうとしていたその唇をふさいだ。
初音ちゃんの口内を乱暴に舌で犯す。
ぴちゅ、くちゅといった卑猥な音が部屋に響く。
ぷはっと息が漏れ、その唇を離す。
僕ははっと我に返る。
僕は今何をした?
初音ちゃんの純真でやわらかい唇を汚い欲望だけで犯したというのか?
そんな!?こんなことするつもりなかったのに!!
「あ、彰お兄ちゃん?」
初音ちゃんが顔を赤くしながらうつむき加減に僕を見る。
「そ、その、いいよ。彰お兄ちゃん我慢できないんでしょ?
それは多分私のせいだと思うから…」
初音ちゃんが髪の毛をかきあげながら僕の胸に寄り添う。
初音ちゃんが何を言ってるのかわからない。
僕が無理やりキスしたことを怒ってないんだろうか?
そんなことより、いいってなにが?
何をしていいんだ?誰のせいだって?
そんなことを考えていたつもりだったが、僕はいつのまにか初音ちゃんを押し倒している。
まるで違う誰かが僕の体を操っているかのように…
「んっ!」
僕はまた初音ちゃんの唇を吸っている。
初音ちゃんの唾液で自分の渇きを潤すかのように…
「あ、あの、彰お兄ちゃん」
僕は初音ちゃんの上着をたくし上げる。
「そ、その、痛くしないでね…」
初音ちゃんの声は聞こえているのだが体がいうことを聞かない。
僕は乱暴にそのまだ発育が不完全な胸の先にある桜色に色づく小さな突起物にむしゃぶりついた。
「ひゃ、んん…」
初音ちゃんは耐えているような声色でうめく。
右の胸を舌先で弄びながら、左の胸を指先で弄くる。
そうするうちに小さいながらもその存在を主張する。
「ふあ、あ、あきらおにいちゃぁん」
初音ちゃんが艶かしい声をあげる。
ふと顔を見やると初音ちゃんは目に涙を浮かべている。
いじらしいその表情がたまらなく自分の心を締め付ける。
何故、俺はこんなことをしているのだろうか?
まだこんなに幼く、あどけなさの残る少女に対して…
しかし、そんな心とは裏腹に自分の男性たる象徴は今か今かと主張を続けている。
そして、初音ちゃんのスカートに手をかける。
それをするりと脱がすと白い下着が顔をのぞかせる。
「あ、あんまり見ないで…」
初音ちゃんが恥ずかしそうに手で顔を隠しながら呟く。
僕はその下着の上からスリットにあわせて指を動かす。
初音ちゃんの体がビクッと跳ねる。
そのかわいらしい反応を見てもう少し優しくしてあげたかったが、
相変わらず僕の体は言うことを聞いてくれず、その指の動きは激しさを増すだけであった。
「ん、んんっ!んあっ!」
初音ちゃんは声を押し殺しているようだ。
そうだな、外には誰かいるかもしれない。
いつ誰が入ってきてもおかしくはないだろうに、僕は何をやっているのだろう?
しっとりとしたものが指に確認できる。
初音ちゃんのものなんだろう…
初音ちゃんはハァハァと息を切らしている。
かわいらしい胸が上下している。
ついに僕は最後の一枚に手をかけた。
腰を持ち上げ、それをつかみ一気に引き下げる。
まだ、誰の目にも触れたことのないだろうその体が今僕の目の前にある。
「あ、ああ…」
初音ちゃんは恥ずかしさのあまりか声も出ないみたいだ。
僕は両足を持ち上げその部分が露になるようにする。
そして、顔を近づける。
何をされるか理解したのだろうか、
「あ、だ、だめ!汚いよぉ!もうずっとお風呂入ってないし…」
と言い、僕の頭を押さえる。
初音ちゃんに汚いところなんてないよ。と思ったが、それが音声に変換されることはなく、
僕はその手を引き剥がし、その部分にくちづけをする。
汗のせいだろうか?少ししょっぱい味がしたような気がする。
そんなことも気にせず僕はその部分を丹念に舐る。
初音ちゃんは声を出さないように自分の口に手を当て我慢している。
とてもいじらしく感じた。
だが僕にはどうしようもない…体が言うことを聞いてくれない。
本当にそうなんだろうか?
これは僕の願っていたことではないんだろうか?
僕の中のどす黒い欲望が今体現されているだけなのではないか?
初音ちゃんを一度もそういう対象として見なかったと言い切れるだろうか?
自分がいやになってくる。
今ここで自分を殺して止めてやりたい。
しかし、そんな考えとは別のところで僕の体は動いている。
いつのまにか、僕は今まで自分の目の前にあったものに自分自身のそれをあてがっていた。
初音ちゃんは涙を流している。
俺は何をしているんだ?
そう思った瞬間、僕は初音ちゃんの中に入っていた。
「ん、んあ、や、やあ…」
初音ちゃんの声が僕の心に響く。
「いた、い。痛いよぉ…」
初音ちゃんの声が僕の心を蝕む。
僕は今、この世で一番純真なものを汚している。
結合している部分からは純潔の証が下のシーツを赤く染めていた。
「あ、彰お兄ちゃん。ごめんね、ごめんね」
初音ちゃんが僕に対して謝る。
何故!?僕は今は常ちゃんを犯しているというのに…
謝らなければならないのは僕のほうではないか!!
「私のせいでこんなこと…」
やめてくれ!
初音ちゃんのせいな訳が無い!
自分の弱い心がこんなことをしてるんだ!
僕は自分が許せない!
「私、彰お兄ちゃんのこと好きだよ」
その言葉を聞いたとき、自分の中で何かが高まっていくのがわかった。
そして、僕は初音ちゃんの中で白い欲望を吐き出し果てた。
「僕も初音ちゃんのことが大好きだよ」
その最後の言葉だけははっきりと口に出すことができた。
僕は初音ちゃんの頬に触れた。
そのとき自分の体の自由がもどっていることに気付いた。
それと同時に気が遠くなっていくのを感じた。
「ごめんなさい、彰お兄ちゃん…」
最後に見たのは涙を流しながらそう呟く初音ちゃんの姿だった。
【七瀬彰 鬼の暴走はとりあえず無し】
【柏木初音 処女喪失】(w