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北川シリアスモード


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「なぁ、北川」
「何だ、相沢」
突然相沢が声を掛けてきた
「腹、減らないか」
「そうだな、確かに腹減ったな」
そう言えばこの島に来てからほとんどもずくしか食っていないような気がする
「お前何か食べ物持ってないのか?」
「あいにくと持ち物は全て没収されちまった」
「そうか」
全く縛られているのに食欲が沸くなんてこいつは大物だな
そんなことを考えながらも俺はレミィの事が気になっていた
果たして無事なんだろうか?
殺人鬼が蠢くこの島に彼女を一人にしてしまったことは俺の人生最大の失敗だったと言えるだろう

崖の上から降ってきたヤンキー
それがレミィ・クリストファー・ヘレン・宮内(通称ガルベス)だった
俺の支給品のもずくをむさぼり食われたよなぁ(最も俺一人では到底食いきれなかっただろうが)
まぁ、それでも彼女の天真爛漫さに救われていたのは事実だった
突然殺人ゲームに参加されられて期待して開けた荷物はもずくだった、これでへこまない人間はいないのではないだろうか
彼女と出会えたことによって少しだけ不安が解消されたことは間違いないことだった
それからはレミィと一緒に行動していた
そしていろんな彼女の姿を見てきた
「おかあさんといっしょ」の事でからかったら泣き出してしまった
あのことは北川潤一生の不覚であると言える
婦女子を泣かせてしまうとは男の風上にも置けない行為だった(勿論風下にも置けないがな)
彼女が親友が死んでしまったと知ったときの事は今でもはっきりと覚えている
悲しそうな声、悲しい決意をした顔
そう、あの時からだろう
彼女のことを意識し始めたのは
レミィに恋愛感情を抱いているかどうかは正直分からない
ただ、守りたいと思った
守ってあげたいと

俺は香里の事が好きだった
それでも告白することすら出来ず側にいるだけで満足していた
でも、香里は死んでしまった
このクソッたれなゲームに巻き込まれて
結局俺は香里の事を守ることすら出来なかった
だからこそ俺はレミィの事を守りたいと思った
香里を守れなかった分まで
だが結局俺は彼女のことを一人にし、俺は相沢と一緒に捕らわれている
今の俺に出来ることと言えばただ彼女の無事を祈るだけだ
なんて無様な
これじゃ香里の時と同じだ
俺は心底自分のことを情けなく思った

「おーい、北川。何ぼーっとしてるんだよ」
「何騒いでるのよ」
「いや、北川の奴があっちの世界に逝ってるから呼び戻してるんだよ」

【相沢祐一 未だ緊縛中】

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