Don't say good-bye
「……俺は、相沢と一緒にいた椎名って子を探すよ」
三人の埋葬を済ませるなり、北川は強い声でそう言った。
一度マンションで会ったきりの彼女がどうなったのか、北川は知らない。
だが、祐一がいない今、彼女の身は心配だった。
さらにあの明晰な少女なら、遺されたこのCDについて何か知恵を貸してくれるかもしれない、そう考えたのだ。
芹香の口が、お気をつけて、と言うふうに動いた。
そしてスフィーが、初めて北川に対して口を開く。
「…………許した訳じゃないわ。あなたも同じだと思う。
だけどね、まだ、死んでなんかやらないから。
必ず生き残って、出来ることをやり遂げて、元の生活に戻るまではね」
頷く。
「お前らも、国崎って奴に頑張って会えよ」
それだけ言って、北川は踵を返して小屋をあとにした。
決して、振り返りはしなかった。
俺、もう一度せいいっぱい生きてみる。
香里の、祐一の、レミィの想いを胸に抱いて、一緒に生きてやる。
彼はまた歩き出す。
道は分かたれているけれども、必ず行き先には何かがあると信じて。
――――祐一にも、レミィにも、芹香たちにも。
さよならは、言わずに。
【第八回放送直前、午前十一時四十五分】
【北川、レミィと祐一の遺品、武器を入手】