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乾いた心


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………暑いな
照りつける太陽が私の体を蝕んでいく。
いつもならこんな暑い日は木陰でぼんやりしているところだ。
けれど今の私は太陽に照らされながらただひたすら時が過ぎるのを待っている。
………私なにしてるんだろう?
少し熱でボーっとした頭にそんな考えが浮かんだ。
あの人達の誘いを拒んだのに何故私はここに居るのだろう。
彼らに言った言葉が頭の中で駆け巡る。

−−…みんな…知らないんだよ…仲間なんて…本当は…薄っぺらい関係なんだ−−

そう、仲間なんて薄っぺらいもの。
その証拠にこの島ではみんな殺し合っているじゃないの。

私はどこか壊れてしまったのかもしれない。
あの子が消えてしまったときから。
どこか普通の人間とは違う感じの子で、凄くいい顔で笑う少女だった。
あの目つきの悪い青年に懐いていて、私の目から見ても微笑ましかった。
何故あの子がこの世から消えなければならなかったんだろうか?
それがこの島に来たときからあの子に定められた運命だったんだろうか?
私には分からない。

思えばあの子が消える前までがあの喫茶店で幸せを感じられた唯一の時だった。
秋子といういつも微笑みを絶やさなかった人も、名雪という周りをほのぼのとさせる空気をもった子も、
琴音という優しかった子も今はこの世に居ない。
失ってしまったものはもう2度と戻らない。
だから私はもう何も欲しがらないことにした。
そうすれば何も失わずに済むから。
それなのに私は出会ってしまった。あの騒がしい人達に。
失いたくないと思える人達に。
でも、それは無理なこと。それがこの島で私が学んだこと。

それでも私は待ち続ける。
彼らが戻ってくるのを。
期待などはしていない。期待すれば裏切られるから。
けれど、もし彼らが戻ってきたなら。
もう一度信じてみてもいいのかもしれない。
スッと日が陰る。
空を見上げてみると今まで雲一つなかった空に雲が出始めている。
一雨来そうね。
そんなことを考えながら私は彼らが消えていった場所を見つめ続けた。

【ぽち 外で待機中】

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