雨宿り


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「で、やっぱり出かけたいわけ?」
セイカクハンテンタケを食べている芹香は平然として言う。
「やっぱり…ここは危険だわ。あの北川とか言う人も信用できないし」
「ま、どっちでも良いけどね…行くんなら雷の一発や二発がきてもしゃがみこんだりするのは
やめてよね。邪魔になるから。それに下手に動いたほうが目立つ可能性だってあるわよ?」
「…そうね」
「で、行くの,行かないの?どっちでも付き合ってあげるわよ」

 そういえば、あの二人組は小屋にいました。この大雨の中二人の乙女を放り出すのは可哀想です。
「…というわけでみなさんで小屋へ参りましょう」
「どういうわけよ」
今まさに二人は刀に手にもっています。これから私は見事な居合切りで真っ二つになるのでしょうか。
「そうなりたいのね?」
何故私は都合の悪い事に限って思っている事を口に出してしまうのでしょう。なんて思ってる暇は無い。
「その二人組に会ったのは小屋なんです、ハイ。ですから乙女の皆様にも雨宿りが必要なのではないかと…
ほら、先ほどから雷様も鳴っております。不肖、北川はおへそを取られるのでは無いかと心底怯えているの
です。さらに地震までもが起こっております。慈悲と思って、私を小屋まで連れて行ってくださいませ。
さすれば皆様の武器を持っていく必要もございません」
「確かに雨が強いわね。歩いて何分くらい? 蝉丸さんのところよりも近いんでしょうね?」

ええ、確かに近うございました。ですから私もちゃんと生きているわけで。


「この雨の中で人を見つけるのも難しそうね、やっぱりここに潜んでいるほうがいいのかも」
「そうするのね。じゃあおとなしくしていましょう」


【北川、晴香、七瀬留美、国崎往人、小屋に向かう事に決定。】
【芹香、スフィー、小屋で待機。ただし傍目には居るように見えない。】

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