旅の途中
「はぁ、はぁ、はぁ…」
療養所を出発してから、スフィーはひたすら走った。
どれくらい走っただろうか、長い坂道を駆け上がり、かつて神奈が封じられていた神社に辿り着いた頃には、
すっかり息が上がってしまっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
ここまで一途に走ってきたスフィーも、思わず地面にへたり込む。
しかしスフィーの目的地である祠(ほこら)は、ここからさらに山道を登らなければならない。
こんな所で休んでいる暇はないのだ。
数分後、スフィーの息もようやく整ってきた。
そして立ち上がろうとしたスフィーは、その時上空に何かを見つけた。
「あれ、何だろう…」
それは、上空に糸を引きながら少しずつ下界に向かっている様に見えた。
スフィーはしばらくそれを眺めていたが、ふと我に返る。
「いけない! 早く祠へ行かなきゃ!」
そして、スフィーは再び走り出した。
進む道はただ一つ。
【スフィー、落下する飛空挺を発見(ただしスフィーは飛空挺とは認識していない)】