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霊山


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夏の象徴たる太陽もほとんど沈みかけている。
先ほどまでの銃声も離れすぎてしまったのか決着がついたのかついに聞こえなくなってしまった。
私は幾度目かの休憩をとりながら翼人についての知識を思い出していた。

『唐天竺では鳳翼と呼びならわし、異名を風司、古き名では空真理ともいう
 肌はびろうど瞳はめのう涙は金剛石
 やんごとなきその姿はまさしくあまつびと』

(よくもまあ美辞麗句を並べ立てたものね。)
息は落ち着いたが足の震えがとれない。山を一気に上っているので当たり前なのだが。
蝉の音に包まれながら重い足を何とか動かしながら私はさらに翼人について考えた。

人に知恵と知識をさずけた、貴ぶべき神。
かつて地上に災厄をもたらし、人により掃討された悪鬼。

翼人がそして神奈備命が何者なのかははっきり分からない。真の神であったのか悪鬼であったのか。
ただ一つ言える事がある、この山の上にいるのは好奇心と欲望にもてあそばれ歪みきっている。


ふいに空気が変わった。重くどんよりした物に。辺りを見回すと幹に麻縄を巻かれた木がある。
そこから等間隔に、白い紙が垂らされていた。
「注連縄……結界が張られてるの?」
この程度の結界私にはほんの少しの足止めにしかならない。さっさと一つ目の結界を越えた。
すると……。


森の様子が変わった。人が入った事の無い、原生林のようだった。
辺りを見回すと湿り気を帯びた靄、麻縄の残骸と捻じ曲がった木、そして死体。
結界は魔法の影響で外側を除いてバラバラに、そしてその中で警備していた人も。

「頑張るのよスフィー、ココからが本番なんだから。」
自分自身に一喝して歩き出す、神奈の封じられた祠は近い。


【祠付近に張られた結界は道を迷わせる物で島全体に張られてる物とは関係ありません】

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