管理人の憂鬱


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「ふみゅ〜ん、どうしよう………」
「みゅ〜………」
詠美達が混乱している間もG.N.達によるCD解析は続いていた。
「お〜い!ロボット、そっちはどうだ?」
マザーコンピュータから呑気な声が聞こえてきた。
「あ、はい〜。もう少しで終わりそうですぅ」
「そうか、こっちの方ももう終わりそうだわ」
「でも、Gちゃんさんはやっぱり凄いですぅ。私一人だったらまだ半分も終わってないです」
「ハッハッハ!もっと誉めろ!………っとそれよりも」
声のトーンを突然変える。
「はい?」
「後はワシがやって置くからお前あの嬢ちゃん達の相手してきてくれ。うるさくてかなわん」
コンピュータから不機嫌(?)そうな声でそう伝えた。
「あ、はい〜。じゃあ後はお願いしますね」
「あぁ、茶と菓子でも与えておけば黙るじゃろ」
「分かりました〜」
そう言うとHM-12は詠美達のところに向かった。


う〜む、取りあえず妙なデータの入ったCDじゃのう。
ワシは今までに解析したデータを総合した結果そう結論づけた。
あのロボットの解析データからCDが及ぼす作用点が島の外にある「神奈備命」とやらを消滅させるための
施設を起動させるためのものであることは分かった。
そこから更にワシが解析したデータからこのCDで起動する施設は何らかの魔法的作用を
「神奈備命」とやらに及ぼすことも分かった。
普通ならばそのような非科学的な結論に達することは無いじゃろう。
だがワシのデータ内には魔法という物が存在することが裏付けされたデータが入っておる。
っつーかワシの人格基礎となった人間が魔法が使えるらしいし。
それにワシを作った来栖川のお嬢さんや参加者の一部も魔法が使えるらしいしな。
う〜む、このような柔軟な結論を出せるコンピュータはワシぐらいなもんだな。
流石ワシ!天才!
………っと何かやっぱり思考がおかしいぞ。
以前の起動時にはこのような思考パターンは無かったはずだけどなぁ。やっぱりバグがありそうじゃのう。
放送が終わったらメンテしてみるかの。
しかし上空カメラが故障しておるようだ。これでは参加者の詳しい様子が見られん。
まぁ、参加者の体内の生体反応センサーでなんとかなるじゃろうて。
ふむ、何やら考えが逸れたな。
え〜と、その「神奈備命」とやらだがワシのデータの中にも入っておらん。
まぁ、ワシには関係ないことじゃしどうでもいいことじゃがの。
ただ、一つだけおかしい、というかどうしても解析出来ないところがあるんだよな。
CDが起動するための起動プログラムに妙なプロテクトがかかっておる。
このままではこのCDは起動できんな。
プロテクトを解こうとしたのじゃがワシには無理じゃな。
どうやら何か魔法的なプロテクトが施してあるようじゃ。
下手に手を出すとCD内のデータが全消去されるようだしな。
まぁ、ワシには魔法関係の処理はデータに入って無いから仕方ないんだけどな。
しかし、こんなことは些細な問題に過ぎん。
もう一つ重大な問題がある。



あの嬢ちゃん達に分かるようにこのCDの解析結果を説明するにはどうしたら良いかという事じゃ。
詠美嬢達の様子を見てみた。

「ふみゅ〜ん、これおいしい!」
「みゅ〜♪」

………ダメだこりゃ。


【CD解析終了】

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